お別れ
元「風」のメンバー、大久保一久さん。
突然の別れの報に接し、心からお悔やみ申し上げます。
彼の音楽と初めて出会ったのは、小学生の頃だった。
風は、活動を休止して今年で42年になる。多くの風ファンがきっとそうであったように、私も「風=伊勢正三」という、絶対的な魅力の形式が存在していた。
その陰でレパートリーを淡々と歌い、演奏する久保やん。彼が残してくれた音楽に重ねられた優しさの質に気付くことができたのは、風が解散してからしばらく経ってからのこと。
最近、風のラストアルバムとなった「ムーニーナイト」をよく聴き込んでいた。
特に久保やんの「あとがき」が、今の年齢になってとても響いてくれて、つい先日も友人への音楽ギフトとして、この曲を編集リストに加えて贈ったことがあったばかりであった。
いざ風について書こうとすると、多くのスペースが必要とされてしまう。
近年、闘病されている噂を耳にしたことはあったが、是非もう一度「風」としてステージに立たれる姿を目に焼き付けてみたかった。
「あとがき」「男物のシャツ」「古都」「あなたへ」。
私が好きな彼の歌を、今日聴いていたい。