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【国語世論24】(4) 年代別の不読率。書籍で差がなく,他はU字。

前回の続きです。


「文字・活字による情報に触れる時間」はむしろ増えている

問11では,こんな質問もしています。

〔 問11:質問 〕

現代は,本・雑誌・漫画に限らず,スマートフォン,タブレット,携帯電話,パソコン等の情報機器によって,SNS,インターネット上の記事など,様々な文字・活字による情報に触れることができます。

そうしたものも含めて考えると,あなたが文字・活字による情報に触れる時間は,以前に比べて減っていますか。それとも,増えていますか。 (一つ回答)

「令和5年度『国語に関する世論調査』の結果の概要」p.34

その結果は,

「令和5年度『国語に関する世論調査』の結果の概要」p.34

となっており,

◎減っている 26.0%
◎それほど変わっていない 37.3%
◎増えている 35.3%

となっています。

つまり前回の議論に付け加えるならば,「何らかのまとまった文字を本当に読んでいない,という意味での不読率はわずか6.5%だし,今後ももっと減ることが見込まれる」ということになるわけです。

年代別各種不読率

さて,不読率の話の最後に,年代別に3種の不読率を整理してみましょう。

◎書籍のみ不読率(全年代:62.6%)
◎雑誌漫画含む不読率(全年代:20.6%)
◎総合不読率(全年代:6.5%)

の3種です。総合不読率は「読まない」と回答した人だけに問うているので,62.6%をかけた後の数字になります。

結果は以下です。

世論調査報告書「令和5年度国語に関する世論調査」を参考に猪原が作成

16~19歳は回答者数が少ないので,解釈には注意が必要です。

全体的にU字(若年層と高齢層で不読率が高く,中間層では低い)になっていますね。

書籍不読率ではほぼ年代差がなく,雑誌漫画含む不読率では30.0%(70歳以上)-11.6%(30~39歳)で18.4ポイント%が最大の年代差,総合不読率では26.4%(70歳以上)-2.3%(40~49歳)で24.1ポイントが最大の年代差ですね。

忙しそうなイメージのある30~59歳で不読率が低いのも面白い。

ふ~む,けっこう日本読書学会読書状況調査(未発表)と結果が違うなぁ。またこのあたり整理したいと思います。

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あと1回続きます。意外と長くなってきました。


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