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100日後にデビューする小説家【19日目】
祝『ヤンデレちゃん殺人事件』脱稿
書けてしまった。内容はどうであれ、応募規定に沿って、きちんと一作品を書ききることが出来てしまった。これはある種の恐怖である。と同時に、自分が書けることを再認識させてくれた。あとは、幅広いジャンルに挑戦し、七転八倒を繰り返すだけである。そこで、箸だろうが棒だろうが、ひっかかりさえすれば良いのだ。結果オーライ。そういう風に人生は進んでいく。この連載を読んでくださっている読者の皆様。ここまで読んできてみてどうだっただろうか。小説家志望の若造がちょっとだけ苦しみ悩み、時に発狂している様をお届けしながら、そこに少しだけ希望を持って生きている。これが、皆様の暗い暗い足元を照らすひとつの灯りになっているのであれば幸いである。
ネタは新鮮な方がいい。そう言っていたのは、西尾維新氏だったと思うが、本当にそのとおりである。少なくとも、大衆文学のジャンルはネタの新鮮さが大事だと書いていて強く思った。調理過程で、思いついたことをやってみる。それで面白いと思ってもらえたら、更にアレンジを続けていく。そうやってオリジナルは出来ていくし、きっと小説家と呼ばれる方々はそうやってスタイルを確立していったのだと思う。この先、楽しみしかない。もっと書きたい。自分だけの世界をもっと広めたい。この空想庭園は、既に私だけのものではないである。皆様と共有できるほどに、花は咲いているのである。
正直な話をしてしまうと、今回の作品に自信は一切ない。むしろ、下読み段階で弾かれてしまう。そんな気がしている。だが、それでもいい。創ったことが大切で、それが自分のやりたい事だから。書けば書くほど、文章は上手くなる。それでいい。ようや私の執筆人生はスタートしたのである。
この連載を読み返してみても、驚くほどに書くスピードは速くなっているし、内容もある程度まとまって書くことが出来ている。ひとえに「書く」ことに専念した結果だろう。物書きとしては、執筆スピードが上がることはありがたいことだし、何より新鮮なうちにネタを提供できるという嬉しさもある。
これからも、書いていくたびに新しい発見や、楽しさを見出していけるのだろう。「楽しく書く」これをモットーに、これからも書き続けていきたいと思った。
世界は楽しいことで溢れている。