【第一章①】温泉とは??(海水は温泉に含まれるの??)
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こんにちは。
今回から、「温泉講座」として、1日がかりで実施される温泉ソムリエ講習会で行う講義の内容を中心に、温泉の知識を共有していきたいと思います。
全ての講義で温泉とソムリエとして持つべき知識は概ね揃うようスライド等使いながら説明していきます。
また、この講義はなるべくわかりやすく、砕いた内容にしているので、温泉ソムリエの資格を持っていない方にぜひ見ていただきたいです!
温泉とは、、??(温泉の定義)
温泉には、ちゃんと「温泉法」という法律があって、温泉の定義が述べられています。(写真:第二条)
第二条の文は、わかりやすくいうと、
「温泉は、地中から出てくるもの(温水、鉱水、①水蒸気その他ガス)で、その中で②温度25℃以上であること、成分が規定以上であること」です。
①水蒸気やガスは地中から出てきても入浴できないので、水と混ぜたりしても温泉として認定されます(+温泉の規定値を満たしていれば)
このような温泉を「造成温泉」といったりもします。
②「温度」か「成分」のどちらかの条件を満たしていれば「温泉」になります。
ということは、冷たくても成分が濃ければ温泉だし、湯が熱くて成分が薄くても温泉になります。
Q. 地中から湧き出る温水が温泉なら海水は温泉じゃないのか??
温泉法では基本的には、掘って出てきた温水じゃないと温泉として認められないため、海水や海そのものは「温泉」ではありません。
しかし、海水は大量の塩分を含んでおり、温泉の「塩化物泉」に相当します。石川県の和倉温泉、鹿児島県の指宿温泉、千葉県の白子温泉のように海沿いの温泉は舐めるととてもしょっぱかった!!なんて経験もあるかもしれません。
実際、海水の塩分の濃さは塩化物泉として認められる規定値の約35倍もの成分を含んでいるので「温泉ではないけど温泉と同等の効果がある」ということです。
Q. 埋立地にできた温泉施設は温泉に該当する??
ディズニーリゾート周辺のエリアはほぼ埋立地で、温泉ありの高級ホテルが沢山あります。
その中でも、代表的な温泉施設なのが、「大江戸温泉物語 浦安万華鏡」。
敷地内の地下1,400mから汲み上げている、ナトリウム塩化物強塩泉で先程述べた通り、強塩泉なのでほぞ海水に近い成分。
定義からすれば、地中から堀ったものが温泉なのに、なぜここは埋立地下の海底から汲み上げたものが温泉として認められているのか??
考えてみると不思議になりますよね。
考察
改定前の温泉法では、埋立地と地中の区別が明確にされていなかったので、埋立地から汲み上げたものも温泉として認めていたんです。
ところが、区別が明確にされていないと、全国で海水を汲み上げて沸かして「温泉」と名乗ってしまう入浴施設や旅館が多発してしまうことを危惧して、温泉法が改定され、明確に地中から堀ったものを温泉としました。
なので、改定前に埋立地だろうが、一度温泉の称号をもらってしまえば永遠と温泉として認められます!!
一方で、これからディズニー周辺の埋め立て地で新たに入浴施設を立ち上げようとしても、おそらく「温泉」として認められないでしょう。(現にそのような施設は改定以降出てきていません)
このようなカラクリがあったりします。
いかがだったでしょうか。
次回は「温泉とは??」の続きで、温泉と療養泉の違い、成分規定値の条件について説明していきます。(下写真を用いて説明していきます)
それでは、次回もよろしくお願いします。
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