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びっくりのインド ● 18 ● 昼のルーティーン

ここ最近、『田舎暮らし』 『持たない暮らし』 『スローライフ』 『ミニマリスト』 『断舎離®』 などの言葉を目にすることが多い。
YouTube では 「こんな 田舎で、こんな シンプルな生活をしています!」 という動画が数多く公開されていて、それらを私は好んで見つつも、よくよく考えてみると、社会が物に溢れているからできる選択であり、実のところ、「持たない」 選択をするということは逆に物への執着心が強いとも言える。

持たない決断 は 贅沢の極み だ。
日本で シンプルな田舎暮らし をするにしても、例えば炊飯器や洗濯機、冷蔵庫を持っていることが多い。
「釜で米を炊くと驚くほど美味しい!」 というのは、便利な炊飯器を敢えて使わない贅沢をするということだ。

インドでは、物がないと執着心も生まれない ことを思い知らされた。
そして、物がない生活はシンプルでもスローでもなく、とにかく忙しいことも分かった。
日本ではボタンひとつ押せば済む洗濯は、インドでは身体と時間を使う。
食べるものを買うために毎日数十分歩く。
そんなこんなであっという間に1日が終わった時には 「そろそろ寝ようか」 と思う前に寝てしまう。

インドでのミニマリスティックな生活で、比較的シンプル なのは 昼のルーティーン だった。

ランチは、たいてい近くのレストランで食べた。
毎日カレー はさすがにきつくて、たまに食べていたのが ビリヤニ だ。

2008.11.21 ある日の昼食

右側にあるのがビリヤニ。
これを私は、うっすーい味付けの しっとりチャーハン と呼んでいた。
いまネットで調べるとビリヤニにも色々あって、わたしが食べていたのは南インドのビリヤニのようだ。
よく見ると ゆで卵 が埋もれている (レストランによっては上に乗っている)。
赤いソースはビリヤニに乗せて食べるもの。
左にある赤い色のミートは チキンティッカ
日本ではタンドリーチキンが有名だが、味で言うとティッカは 骨なしタンドリーチキン だ。
作るのに手間がかかるのか、ティッカのほうが値段が高いけれど、10 ~ 20 円くらいの差だから、骨つきの食べ物が苦手なわたしはいつもティッカを注文した。
緑色のソースはミント味で、ティッカとの組み合わせが今ひとつ私には合わなくて、申しわけ程度にちょっとだけ浸けて食べた。
このほかに1リットルのミネラルウォーターを注文して、全部で 100 円前後だったと思う。
これはインドの人の平均的なランチ代の 2 倍以上の値段で、いわゆる外人の贅沢ランチだ。

インド人は卵料理が好きなのか、安くて栄養価が高いからなのか、よく玉子を食べる。
日本でちょっとくらい不味い弁当でも玉子が入っていれば許す私は、インド人が玉子好きで本当によかった。

ランチの後は、自宅に帰って洗濯物を取り入れた。
朝に干した洗濯物は2-3時間でパキパキになる。
洗濯物をたたんだら、10 分くらいベッドでゴロゴロして仕事に戻った。

昼の休憩に一度自宅へ戻るというのをそれまでやったことがなく、午後から仕事する気がなくなるのではないかと最初は心配した。
実際には思いのほか快適で、職場で 10 分休憩するのと、自宅で 10 分というのは、すっきり感がまるで違う。
ただこれは、住んでいた部屋が家の屋上にあり、窓を全部開けっ放しにしていて常に風が入って気持ちよく、外にはヤシの木と青い空が見えていたからかもしれない。

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