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モチベーション

数字を追うのは詳しい方にお任せします。
今日はモチベーションに関するコメントです。

1.
アメリカの作家・文筆家で、アル・ゴア元アメリカ副大統領の首席スピーチライターを務めたこともあるダニエル・ピンクが提示した「モチベーション3.0」という概念があります。詳しくは書籍に書かれていますが、手近なところではTEDプレゼンをYouTubeで見ることができます。

生存を目的とする、食べる・寝るなどの生理的なモチベーションが「モチベーション1.0」

報酬を得る、罰を与える「信賞必罰」的な考えに従ったモチベーションが「モチベーション2.0」

そして、自らの内側から湧き出るやる気に基づいた仕組みが「モチベーション3.0」

2.0が外発的動機であるのに対し、3.0は内発的動機です。これが、人を動かし、組織を強くするために必要な概念だと、ダニエル・ピンクは説明しています。

一般的に、多くの企業や団体でモチベーションを上げるための策として、お金や物を与える「モチベーション2.0」が用いられますが、目に見える金銭などの成果を短絡的に求めてしまい、本来の目的が果たせないという弊害があります。
何度もモチベーションを上げる必要がある場合、金銭を与えるやり方では回を重ねるごとに金額を上げないとモチベーションが上がらないという状況を作り、どんどんエスカレートします。

また、罰則による意識付けは、罰を受けないことが目的となってしまい、こちらも本来の目的が見失われます。
罰則を与えることで、始めは効果があるかも知れません。
しかし、そのうち「罰を受けてもいいや」という人も出始め、罰則の程度が妥当かどうかの議論が始まり、違反者を減らすために罰則はどんどん強化される、という、何のための罰則なのか、わからない状況を生み出します。

報酬や罰則だけを理由にした動機は、報酬を与えられた後でやる気が失われるため、持続しません。

長期に渡りモチベーションを持続する成果を得られるのが「モチベーション3.0」です。


2.
繰り返す感染拡大の波に対し、政府や分科会が重要視するのは、一人一人の感染症対策。新しい生活様式の定着。行動と意識を変えること。


補償がないと応じない/罰則を強化すべき。
この対応が生み出すのは、どんな未来でしょうか?


[2020.12.18投稿]いいね:11


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