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2つの数字

今日は数字に関するコメントです。


1.
増えたり減ったりの感染状況。今後の変化を予測するには、どの数字を見れば良いと思いますか?感染者数?重症者数?年齢別分布?陽性率?・・違います。「感染経路の割合」です。

家ではマスクをつけないので、家庭内感染はほぼ防げない。そのため、一家全員感染してしまう可能性が高い。

市中感染はマスクをつけ、飲食や会話に注意をすればある程度防ぐことができる。満員電車、会食、職場。どういう場面で感染が起こっていますか?

家庭内感染の割合が増えるということは、相対的に市中感染が減っているということ。家庭内で感染経路がそれ以上広がらなければ、感染拡大も頭打ちになる、ということです。


2.
東京都の感染経路の分布はどうなっているでしょうか?
最新の数字を見てみましょう。

★ 東京都モニタリング会議資料(5月20日開催)
グラフ(新規陽性者数、他)
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/013/808/46kai/2021052004.pdf

東京都が感染経路を分析して対応するようになったのは、昨年秋に発足した「東京iCDC」の貢献によるものです。東京都モニタリング会議の資料を比べると、昨年夏頃とは大きく異なり、最近は科学的な分析資料へと変貌しています。

感染状況を把握し、収束に向かわせるために見るべき数字は「結果」の数字ではなく「原因」の数字。

最近は分析結果をもとに、若手へのアンケートという名目の対話、市中の飲食店を回るなど、科学的アプローチが取られるようになっていますよね。


3.
爆発的な感染を防ぐために、日本が培ってきた科学的証拠(エビデンス)は、国内感染者の感染経路をトレースしつつ、クラスターの発生を防ぐこと。ただ、このやり方は人々の感染防止意識がなければ成立しません。

つまり、成功か失敗かの鍵を握るのは人々の感染防止意識と行動です。しかし、うまくいっていない。何かが国民の意識と行動を惑わせるからです。

国民の意識を惑わせるものは何でしょうか?政府や分科会?ポッと湧いて出た専門家?経済やデータを見る専門家?ダブルバインド化する報道番組?

何が今、問題なのか。
深く考える時だと思います。


[2021.05.22投稿]いいね:8


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