過熱する人財獲得競争@コンサル業界
世間ではデジタル人財の獲得競争について騒がれていますが、業界として捉えるとこの記事にあるように最も人財需要があるのはコンサルティング業界で、実に転職求人倍率が5.91倍ということです。
コンサルティング業界の採用現場に携わる身としては、その実態を肌感覚で理解できます。大手のコンサルティングファームを中心に採用基準を下げ、かつてない程の大量採用を行っていますが、それでも需給バランスが合っていません。ITコンサルやシステムコンサルと言われる方々が急速に増えていますが、それでも全然人手が足りていません。
人材獲得競争の背景には、あたりまえですがコンサルティング業界の成長率に連動しています。IDC JAPANによると2016年の国内コンサルティング市場は前年比4.8%増の6792億円であり、2016年~2021年までの年間平均成長率(CAGR)は3.9%で成長するということです。その中でも、デジタル関連のコンサルティングは急成長を遂げており、2016年には前年対比で40.3%増となっており、2016年~2021年の年間平均成長率は23.8%という驚異的な成長が期待されています。経営層におけるデジタルトランスフォーメーションの認識はたしかに広まっています。
デジタル化のトレンドに加え、働き方改革による生産性向上圧力により、社内人材で対応せずに外部人材に頼るようになってきています。結果的に、日本固有の「自前主義」から徐々に脱却していくたしかな変化を感じています。
このトレンドはまだまだ加速していきそうです。一足先にデジタル化のトレンドが進んでいるアメリカのコンサルティング業界の2011年~2016年の平均成長率は10.2%で市場規模も約6兆円にまで拡大しています。
コンサルタント志望の人にとっては絶好の機会である一方、顧客からするとコンサルティング会社の選定が難しくなっています。既に有名コンサルファームを中心に、大量採用によるブランド力の毀損も起きています。結果として、長年蓄積してきたネームバリューだけではなく、支援成果や支援の中身についても顧客から求められるようになってきたことは本質的な変化だと思います。
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL07H58_X00C18A3000000/