2001 東大文系数学 問題+解答例+略解

東大文系数学の解答例掲載を始めようと思います。2001年から始め,最新まで到達したあとは,2000年以前も遡っていく予定です。


問題(80点ー100分)

略解

第1問

受験生が苦手な立体図形の問題です。正四面体のすべての辺の長さが与えられているので,座標設定が役に立つと思います。解答例では省略していますが,計算の過程で点B~Dの座標を設定したあと,条件をみたす点Aの座標を求めています。「直角」などの条件があれば座標設定は用いやすいですが,正三角形でも座標設定で代数的にゴリ押しできます。
あるいは,幾何的に解くこともできます。与えられた正四面体が対称性を有すること,球面の中心から4点までの距離がすべて等しいことなどを利用して,うまい切断面を考えてみましょう。

第2問

平易な問題です。今回のセットの中では何としても完答したい1問です。⑵に関しては,最大値の性質

をしっかり解答にもりこめれば高評価が得られると思います。

第3問

このような「操作」を題材とした設問では,具体的な数値で実験することが必須です。実際に操作に従ってみれば,2点の座標の差は高々1であることが分かるので,それぞれについての状態推移図をかいてみれば簡単に漸化式が得られます。ここで,求めるべきは「場合の数」であって,「確率」ではないことに注意しましょう。⑴ができれば⑵は絶対にできなければいけません。漸化式を解くだけです。いくつかやり方はありますが,この設問は答えを得られるかがすべてです。

第4問

論証の問題です。このセットの中では一番点が取りづらいと思います。「あることを示せ」といわれているので,題意を満たす具体的な数値を与えることが求められています。乱暴な言い方をすれば「連続性」的なものに着目できるかどうかがカギとなります。
なお,180個,181個という問題設定は,19×19=361の碁盤目を意識していると思われます。

解答例

総評

比較的取りやすいセットだったと思います。難易度順(易↔難)に並べれば,
第2問ー第1問,第3問ー第4問
という感じです。
数学が苦手な人は,第2問を完答し残りの部分点で40点を,
数学が得意な人は,第4問以外を確実に完答して60点以上を狙いたいところです。

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