2003 東大文系数学 問題+解答例+略解
怒涛の更新です。ボクいまとってもやる気に満ち溢れているんだ。
問題(80点ー100分)
略解
第1問
一切の小細工不要。計算すれば解けます。と言いたいところですが,本番で値を合わせるのは結構難しいです。
第2問
線形計画法で解けばいいのはわかりやすいと思います。問題は領域$${D}$$です。$${a,\ b}$$の大小関係によってかなり緻密な場合分けをしないといけません。領域の境界となり得る直線がわかっている(与不等式の等号の場合)ので,そのような直線を上下に移動させながら,どのような場合があるか考察するといいと思います。
第3問
⑴ $${α^n + β^n = ( α + β ) ( α^{n-1} + β^{n-1} ) - αβ (α^{n-2} + β^{n-2} )}$$ って,もはや数学的帰納法界隈の常識なんですわ。
⑵ 解答例で「整数全体の集合は加減乗除について閉じている」といっていますが,嘘でした。加法・減法・乗法については確かに閉じていますが,除法は閉じていません。たとえば$${3÷5=0.6}$$は$${\mathbb{Z}}$$に属しません。
⑶ かたくなに文字で扱い続けてきた$${α,\ β}$$の具体的な値を出してみると,見えてくるものがあるかもしれません。
第4問
確率漸化式の問題です。推移図をみれば見えてきます。誘導もかなり丁寧に感じます。
解答例
総評
2001, 2002と比べると少し難しくなりました。単純計算で終わるはずの第1問が手ごわいのがよくないです。
完答のしやすさは
4 > 3 >> 2 >>>> 1
位だと思います(体感)。
頭から順に解くのではなく,自分で解けそうな問題を積極的に探さないといけないセットですね。
数学苦手な方は大問3,4の序盤の小問を確実に得点して,残りは部分点で35~45点ほどを狙いたいです。
数学得意な方もあまり跳ねにくいセットです。大問3,4を完答+部分点で55~65くらいでしょうか。