アメフト観戦でダイバーシティについて考えたこと
いつも長い記事ばかり(すみません)ですが、今日は、写真を中心にして、文字を少なめに。
大学スポーツの花形アメフトは、スタンフォードでも大人気。特に、ライバル校であるU.C. Berkeleyとの試合は「BIG GAME」と呼ばれ、とても盛り上がります。今年は11月末にありました。
試合のしばらく前から、図書館には
"BEAT CAL" 「CAL(バークレーのスポーツチームの通称)を倒せ!」
の横断幕が。
スタジアムの収容人数は5万人。
スタンフォード(S)がタッチダウン(7-0)
→バークレー(Cal)がタッチダウン(7-7)
→Sがフィールドゴール(10-7)
→Calがフィールドゴール(10-10)
→Sがタッチダウン(17-10)
→Calがタッチダウン(17-17)
→Sがフィールドゴール(20-17)
→Calがタッチダウン!!!(20-24)
というまさに一進一退の攻防で、一度もリードしていなかったバークレーが最後に大逆転。BIG GAMEの勝利は10年ぶりだったらしく、グランドにファンがなだれ込んで祝福していました。
さて、ライバル関係にある両大学は、校風も対照的です。両校の学部からスタンフォードの大学院に来ている人を見ると、スタンフォードは、自由、自由、自由で生きてきた感じ。バークレーは「叩き上げ」とでも言うのでしょうか、がつがつとした人が多い印象です(あくまで自分の印象ですが)。
スタンフォードのグッズショップでこんなのが売られるくらい、ライバル意識は強いです。(もう置いていないですが、売れたんでしょうか…笑)
校風の違いは、ハーフタイムのマーチングバンドショーにも表れています。
こちらはスタンフォード。「来たい服を着て、吹きたい場所で曲を吹く」という感じです。
こちらはバークレー。「整然」「一体」といった言葉が浮かびます。
皆さんは、どちらの応援が好みでしょうか。
バークレーの一体感や規律が好き、
スタンフォードの自由きままな感じが好き、
色々な感想があることと思います。仮にどちらかの形式しか認められないとしたら、どちらを選ぶだろう?みたいな質問も面白いかもしれません。
さて、途中で、あることに気がつきました。
スタンフォードのバンドには、車いすの学生が参加しているんですね。
移動のたびに、同じ服を着た学生が手伝ってあげていました。とても自然だったので、途中まで気づきませんでした。
スタンフォードのバンドが、どういうコンセプトでこの形式になっているのかは分かりません。誰でも参加できるのかとか、演奏の技術は問われるのかとか、詳しいことは何も知りません。バークレーのバンドに、障害を持った方が参加しているのかどうかも、1回の観戦だけでは分かりません。バンドに仮に居なかったとして、それ以外にどんな活動の機会があるのかも知りません。また、このアメフトの試合は、遠目の席でも70ドルするので、バンドのあるべき姿を決めるのは観客だ、という意見もありうるでしょう。
ですので、たったこれだけの情報で、どちらの形式が良いとか言うことは絶対にできないのですが、ただただ、「スタンフォードのバンドがこの形式でなかったら、この人は、参加しようと思ったかなあ」ということを、アメフトの最中も、家に帰ってからも、頭の片隅でずっと考えていました。
皆さんは、どんな応援が好みでしょうか。
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