【コラム】支持される理由
昨日はいつもお世話になっているネイルサロンの予約があり、伸び切った爪を綺麗に整えてもらいました。
ネイル・美容院・まつ毛パーマ
この3つは、私にとって美容の「3種の神器」。
どれだけ忙しくても、必ずこの3つはプロにお願いして施術してもらいます。
私が美容サロンを選ぶときの最大ポイントは、スタッフさんとの相性。
会話や空気感、人間性、センス…
言葉にできないような感覚的なものもそこには含まれていて、単に価格やメニュー内容だけを理由にリピートはしません。
それは、「美容サロン」ならではの物理的な距離感の近さも、大きな理由になるでしょう。
ネイルサロンだと数時間、手を触られる物理的な近さがあります。
そして、細かい作業も多いので、自ずと顔も近づきがちです。
美容院やまつ毛サロンも同じですよね。
髪の毛や頭、顔を数時間触られる距離感は、スタッフさんとの信頼関係なくして、その時間を「癒し」に感じられるはずがありません。
その中でも、私が通っているネイルサロンは、仙台に戻ってきた直後の2021年6月くらいから毎月お世話になっている、まさに私は「贔屓客」です。
仙台市中心部のビルの中にお店を構える「Nail salon Culim(ネイルサロン クリム)」。
偶然にも私が脱サラをして、独立起業をした時期と同じ頃に今のオーナーがお店を開店させたことから、初めて来店した時は他のスタッフさんもおらず、そのオーナーひとりで全てを賄っていました。
優しいお人柄とネイルへの熱い想いが、表情や振る舞いから滲み出ていて、数時間同じ空間にいても全く苦を感じない空気感。
そして、私と同じように「起業」という大きな挑戦に踏み出した共通点から、すぐに意気投合し、通い始めて丸3年経った今でも、変わらず「自分へのご褒美や癒し」を感じられる空間と時間が、そこにはあります。
今ではスタッフさんも増え、センスの良い店内に活気も溢れるサロンへと進化していて、そこにはビジネス的なセンスやマネジメントスキルも感じられます。
それが証拠に、Culimは他店に比べてリピート客が非常に多く、開店当時からの「贔屓客」である私でも、希望日時に次の予約が取れないことも多くあります。
その秘訣をオーナーへ単刀直入に尋ねてみると…
仰っている内容がまさに「当たり前品質の向上」なのです。
そのサロンでのポイントは、
「見えない気遣いを当たり前に」ということ。
「気遣いも継続できなければ意味がない」との想いから、とにかく些細な行動の継続を他のスタッフさんにもお願いしているのだとか。
当たり前かも知れませんが、これまでの3年間、いつ行ってもお店が綺麗で、煩雑になりやすいレジ周りですら整理整頓がされているのが当たり前。
店内のフレグランスもよく、出入りで見えることもあるバックヤードも綺麗。
施術内容の特徴から、テーブル周りに粉塵が舞いやすいはずなのに、それすら感じさせない清潔感。
そして、スタッフさん同士の会話のやり取りもとても丁寧で、思いやりを感じますし、施術後にくれるホットタオルが何より良い香り。
ひとつ一つを取ったら、何ひとつ「特別」ではありませんが、自分がお客様の立場の時に気になるポイント、「これだと嫌だな」を当たり前にゼロに近づける工夫を徹底しているのです。
言葉で言うのは簡単ですが、実際にそれを自分だけではなく、他のスタッフも含めて徹底してもらうようなマネジメントは、本当に大変で難しいのです。
なぜなら、人それぞれ「当たり前」と思う価値観が異なるからです。
ある人にとっては「ここまでやらなきゃダメ」なことも、
別の人にとっては「これくらいで良いでしょう」と、
人それぞれ捉え方が多様に存在するからです。
そこをマネジメントする時に必要なのが、オーナーから共有される
「ゴール値の明確化」です。
手段をルール化するのではなく、目的地を明確化することがポイント。
「どんな方法でやってもOKだけど、この状態がうちのお店の「綺麗」のボーダーなので、その状態をキープしてね」
自然とそのようなやりとりが出来ていることが分かり、サロンの居心地の良さの理由が、より明確になりました。
また、オーナーの前向きになんでも挑戦しようとする姿も、私にとっては非常に好感が高いポイントです。
実は最近、そのサロンに初めて、欧米系の外国人のお客様が飛び込みで来店されたのだとか。
Culimは路面店ではないので、どのようにサロンがその方の検索にヒットし、来店したのかなども質問したかったそうですが、突然の出来事に英語が出てこず、もどかしい対応になってしまったそうなのです。
このようなお話は最近、仙台でも複数聞かれるようになりました。
日本に旅行へ来る若い世代の方が、日本の高品質な美容技術を体験したく、あえて個人経営規模の美容サロンを探して来店するのです。
しかし、そのような対応経験があるスタッフの多くが仰るのが、
「大変だった〜」や、
「言葉の壁で時間がかかるから、うちでは厳しいかも」など、少し
ネガティブな感想が目立ちます。
けれど、Culimのオーナーにその感想を聞いてみると、
「単純に嬉しかった!どうやってうちを見つけてくれたんだろう!」
と非常に前向き。
その言葉を聞き、私もなんだかとても嬉しくなりましたし、私で力になれることはないか?と考え、まずはネイルサロン用の英語メニュー作成からお手伝いすることにしました。
これこそが、私が専門とする「インバウンド対応の0⇨1を整備する」なのです。
外国人のお客様を迎え入れるスタッフさんが楽しく感じられなければ、
迎えられたお客様も楽しくはありません。
冒頭の「こうされたら嫌だな」をしない。
これはインバウンド対応でも同じことです。
自分がお客様の立場に立った時、
「こうされたら嫌だな」をゼロに近づけ、
「こうされたら嬉しい」を一つでも多く増やす。
接客業の基本そのものですよね。
支持されるには理由がある。
改めてCulimの魅力と、オーナーの素晴らしさに感心した「癒し」の時間でした。
また来月伺うのが楽しみだな〜!
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