商品がお店に並ぶまで その4 製品試験

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さて、今回は製品試験の話。私は製品評価とも言っています。

設計も終わり、試作品ができたところで次のフェーズ、製品試験を行います。ハード/ソフトに限らずよっぽどできが良いことを除いて、試作品一発目は不具合やらバグやらが大量にあるので試験が必要です。趣味の電子工作とか、自作PCと一緒にしないように。

製品試験は大きく分けて下記3つあります。

1.機能試験
2.信頼性試験
3.コンプライアンス(適応)試験

順に解説したいと思います。

1.機能試験

製品動作が設計通りかの試験を行います。例えば、

・電源が入る/切れる(スタンバイになる)こと
・レコーダー系なら録画再生できること
・オシロスコープでインターフェースやバスの信号波形が理想的な波形であること
・動作シーケンスがICなどのデバイスの要求を守っていること。

など。製品の基本的な動作試験からデバイスレベルの動作確認まで浅いところから深いところまで試験を行います。設計担当者自ら行う試験です。

2.信頼性試験

発売対象国でのどこでも使えるようにする試験です。日本市場に発売するなら、北は北海道から南は沖縄までを想定した試験を行います。例えば、

・動作保証温度の上下に振った温度試験。
・箱詰めして温度を振ったり湿度をかけたりする試験
・ネコや飛脚で輸送することを想定した時の試験
・落っことした時の試験

など。色んな側面でちょっと強めなストレスをかける試験を行い、壊れたら設計変更、修正をします。品質試験、(時々)第三者試験とも呼ばれるので品証部門があるところは品証の人が試験を行います。

3.コンプライアンス試験

発売対象国での法律に適応しているかどうか試験します。日本なら、

・製造物責任法に抵触していないかどうかの試験
・電波法に遵守しているかどうかのEMC(妨害電波系)試験
・食品安全衛生法に遵守しているかどうかの試験。食器用プラスチック、乳幼児向けおもちゃなど
・薬機法に遵守しているかどうかの試験。いわずもがな医療機器。一部のヘルスケア機器など

など。みんな大好きPSEもココ。

法律では無いけど、ハードやソフトの規格団体やメーカーで決められている要求を満足しているかどうかの試験もあります。

・Windowsのドライバ署名
・DivX等のコーデック
・USB

など。設備が揃っている試験所で行います。試験を委託することもあります。

もちろん、問題が出たら修正するのが設計担当者になります。製品にもよりますが、試作品が来てから妥当性確認会議まで1~4ヶ月くらい。

Windowsアプリとかはパッチ対応とかで逃げられるけど、ドライバや組み込みソフトやハードはそんなの無いので、残業目一杯して頑張ります。ソフトも勘定系とか基幹系も逃げられませんね。お互いお疲れ様です。

いい機会なので、道路交通法以外に遵守しなければならない法律を上げてみる。主にメーカーですが。

・電波法
・製造物責任法(PL法)
・電気用品安全法(PSE法)
・家電リサイクル法
・容器包装リサイクル法
・消費生活用製品安全法
・品質表示法
・家庭用品品質表示法
・景品表示法

うへぇ、色々あるなこれ。もちろん全てでは無いです。タカラトミーとかは食品安全衛生法も関連してくるし、なんとかメディカルシステムズとかいう会社は薬機法も絡むし。。。特許とかの知的財産系の法律もあるな。

製品に直接関係しなくても
・下請法
・会社法
・労働基準法
・労働安全衛生法
・労働者派遣法
・外為法

など、ググれば色々出てきますな。営業しかやってきていない人は理解できないんだこれがまた。

なんか法律の話みたいになっちゃいましたが、自分用も含めてこの辺をまとめてみました。改めて見ると、設計担当者の負荷大きいな。こんなのやってきたんだ俺。



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