商品がお店に並ぶまで その5 量産
三週間のご無沙汰でした。今日は量産についてのお話。
設計や試験が終わるとそのまま次の日は量産、、、ではなく、設計の妥当性というISOイベントがあります。ここで設計側マネージャーから”量産してヨシ”というお墨付きをもらわなくてはなりません。
段階を追っていくと。。。
1.設計の妥当性確認
2.プリプロ
3.実際に量産
4.出荷前妥当性確認
と順を追っていくことになります。
1.設計の妥当性確認
簡単に言うと、問題が出尽くして世にだしても恥ずかしくない商品になりましたか?というのを確認します。試作品で行いました、
・機能試験
・信頼性試験
・コンプライアンス試験
が、設計、品証、工場の人が集まって問題が解決していることを確認し、それ以外にも
・部品がすべて納入されていること
・工場での製造準備:人や治工具などが整っていること
・修理について情報共有ができていること
など、工場側の準備も整っていることが必要です。
で、OKになったら次の量産前確認にフェーズが移ります。
2.プリプロ
量産前には100台位を作るプリプロを行います(やらないときもある)。目的は多々ありますが、実際にある程度まとまった数を生産してみて、
・工程歩留まり
・部品品質
・製品バラツキ
など、試作の時には表面に出てこなかった問題を解決して行きます。で、問題解決後に実際に生産計画に基づいてどんどん生産していきます。
プリプロの本体を使って信頼性試験、コンプライアンス試験を行い、試作品で発生した問題が解決されているか(というより発生しないか)どうかを見ます。もちろん、マーケにも使用します。
ちなみに、この本体は試験後やマーケ後に工場に返却して修理して量産品にして発売します。タイマーってこれじゃねぇかなと思う今日この頃。
試作品の試験にて問題点が出尽くして問題がないことが条件で量産に進んでいるので、量産品は色んな面での品質が安定しているかどうかをメインに見ます(量産中やプリプロで問題が発生した場合は当然設計が問題解決を行います)。
3.実際に量産
実際に生産計画に基づいてどんどん作っていきます。
その2で説明した生産期間(Life)が製品毎にあるので、営業が販売店と納入スケジュールを決めて製品の発注を工場に行います。工場ではその発注数量から生産管理部門が週毎や月ごとの生産台数と製造、出荷スケジュールを決めていきます。
実際の製造現場では、試作品を使って色々作った作業標準書を元にどんどん作っていきます。
4.出荷前妥当性確認
実際に始まって一週間くらい後に出荷前妥当性確認を行います。プリプロで発生していた工程問題:歩留まり等が解決したか、プリプロで行った信頼性試験を行ったものが問題ないか(設計した試作品と同じ品質か)を確認し、問題が解決したら晴れて出荷になります。
で、実際にお店に行って製品が売られているのを見るとちょっと感動します。その場で購入したお客様を見ると、次も頑張ろう。と思い、さらに感動して自分のモチベを上げることができます。
次は何を題材にしようか。。。こういう真面目なのより”公取委が来た!”みたいな方が良いのかなぁと思ったり。