商品がお店に並ぶまで
(タイトル画像はソニーアイルランドのサイトより)
商品を作ろうと企画してからお店に並ぶまでのプロセスを書きたいと思ふ。
知ってる人は「だよねー」と、知らない人は「そーだったんだー」という感じで見ていただければ(あくまでも私の経験上ですので、それは違うという人がいても、それはあなたの会社ではそういうプロセスで作られているだけです)。
メーカーでは商品化というという名称で、どのようなプロセスでどのようなことを行うべきかがマニュアル化されています。ほとんどはISO9001プロセスに乗っていることが多いと思います(TOYOTAはISO9001を返上していますが、それ以上のプロセス管理があると思います(私の想像))。
脱線しますが、「TOYOTAがやってないからISO9001なんて意味ない」と言う人には、「TOYOTAだから同等かそれ以上の独自の管理ができるのであって、お前はそこまでのレベルではない。」と言ってやりましょう。
戻って、商品化は下記のプロセスで行われます。DVDレコーダーの例です。
企画 → 上流設計(仕様づくり)→ 下流設計(実設計)→ 製品試験 → 製造(生産)→ 流通/発売
1.企画
ここではこういう製品を作りましょうという会議や、担当者が考えた商品案のハンコリレーが行われる。部長レベルをクリアしても部門長、事業部長レベルでダメと言われるとすべてがやり直し。
2.上流設計
ここでは最終承認された商品仕様をもとに仕様書を作る。画面のUI仕様、ブロック図や状態遷移図、ソフトウェアの機能リスト、機構部品の構造設計などを行う。ここで作り込みを行わないとあとあと響く。
3.下流設計
ここでは実際に手を動かす。回路を引いたり、基板のアートワーク、3DCADでモデリング、アプリ開発などを行う。ここまでは意外と余裕がある。
4.試験
ここでは試作品を用いて機能試験や、発売する国に対する信頼性試験を行う。法適合試験も。ここが一番のキモ。直しては試験の繰り返しで問題がでなくなるまでか、もしくは最低限の試験が通るまで。直らないと休日出勤などの罰ゲームを受ける。
5.製造
晴れて試験合格となったら、部品を集めて工場で製造を行う。製造のマネージャーは設計マネージャーより厳しい(言葉遣いがべらんめぇ口調なので人によっては凹んでしまうかも)。
6.流通/発売
数が確保でき、ここまで来て初めてお店に並ぶ。費用はざっくり数千万円。PS3のような最先端技術を使った製品は数億。なので売れるとメーカーは喜ぶ。
なんか長くなりそうなのでつづく。
電気製品でなくても、工場を建てるっていったら数億~数十億かかるので、簡単に増産しろとか工場建てろというひとは世間を知らない人なんでしょうな。しかも稼働してなんぼの世界なので、工場経営はかなり難しい部類になると思います。個人的偏見。