僕の現在地の話
さて、現在大学二年生の僕は普通だったら夏休みを謳歌している予定だった。少なくとも、一年半前、すなわち大学入学直前、大学生の夏休みと言えば、友達と海外や国内に旅行へ行くものだと思っていた。
ところが、人生は何があるかわからない。僕は”一人で”ある国”で生活している。そして今この文章を書いているわけだ。今のところ、夏休みと呼べる夏休みは過ごしていない。
こんな書き出しで始まる小説があったら、まず売れないでしょうね笑
陳腐というかありきたりと言いますか。そんなことはさておいて、これが僕の今です。
いきなりですが、”ある国”ってどこやねん!!と気になっている方もいると思いますので、ここで四つほどその特徴を紹介しますね。
1,独裁で民主主義が存在しない
2,小さくて資源が豊富
3,同性愛と不倫は石打ちで死刑になる
4,窃盗すると手足が切断される
いや!危ないでしょ!と大半の人が思ったことでしょう。
僕に警告しようとするその手を少し止めて、僕がこの国に行くまでのことについてぜひ続きを読んでみてください。
コロナ禍がマジで暇
昨年の四月、もう聞き飽きたでしょうが、新型コロナウイルスの影響であらゆる施設がクローズしました。大学も例に漏れず、オンライン授業を行うこととなりました。この年度に入学した僕たちにとっては寝耳に水状態でしたが、仕方がないことでした。
細かい話については以前書いたnoteがあるので、割愛させていただくとして、この期間、僕は非常に時間を持て余していました。もちろん、大学の勉強もしっかりとこなしていました。(取れる単位はすべて取りました)それでもなお、時間が余るのです。コロナ禍で友達と遊びに行く機会も激減し、やることがなかった僕はダラダラと本を読んだり、動画を見るなどして時間を潰していました。
そんな最中、僕は一つの思いを持つようになりました。
ここで大学生活このまま終わるのかなぁ、と。
そんなダラダラした僕でしたが、留学や、やりたいことに向けていろいろと動いているという話を友達から聞いて、やっぱりこのままでは良くないよなぁと思い始めました。読書をいろいろして興味のある分野も見つかり、この間、noteを始めたり他の様々な活動にも参加し始めました。
その中の一つが留学(僕の大学と提携している海外大学への留学)でした。僕は基本的にさぼりがちなところがあるので、少しでもやる気があるときに決断しておいて、将来の自分に負担をかけないとやっていけないのです。
人間、やらない理由は簡単に見つけられるんですよね。だから、興味が少しでもあればとりあえず飛び込んでみようと思いました。
と、ここまで決断したのが大学一年生の夏休み前くらいだったでしょうか。
ここから、大学の基準をクリアするために、英語の試験を受けに行ったり、国を選んだりなど様々な準備をしていきました。
僕がこの国を選んだ理由として、一番大きかったのはその地域に興味があったこと、そして日本と価値観が違う国だったことです。せっかく一年行くのであれば、社会的に似た国に行くよりかは全く違う国に行ってみた方が色々と良い経験ができるかなと考えていました。
いざ出陣
そこから時は流れておよそ一年後、今僕は留学先の国に行きつきました。新型コロナウイルスのワクチンの二回目接種の三日後に渡航するというなかなか無茶なスケジュールでしたが、無事に何事もなく元気に過ごしています。(大学側もこれでよくGOサインを出しましたね…笑)
で、その留学している国というのがコチラです。どん!
頭にはてなマークが浮かんでいる方がほとんどかもしれませんが、僕が留学しているのは「ブルネイ・ダルサラーム」という国です。
場所は東南アジアのボルネオ島の端っこ。下の地図でわかるとおり、非常に小さな国でその国土は三重県ほどしかありません。人口も約45万人で、千葉県の柏市とほぼ同等です。
言語は、マレー語と英語が主で、1984年までイギリスの統治下にあったため、多くの場所で英語が通じます。
治安も非常に良く、日本との関係も良好です。
さて、冒頭で四つの特徴について書きましたが、それについて少し掘り下げていこうと思います。この国について悪いイメージを持たれても困るので。
1,独裁で民主主義が存在しない
2,小さくて資源が豊富
3,同性愛と不倫は石打ちで死刑になる
4,窃盗すると手足が切断される
まず、一つ目の独裁というところですが、現在、ブルネイはボルキア(下の写真)という王が統治しており、議会などはその役割を限定されています。つまるところ、立憲君主制という形でこのボルキアが政治的実権を握っていることになります。
そして、この独裁という政治体制、コロナ禍の今、非常に役に立っています。
ブルネイは入国者の隔離を徹底して行い、感染者が出たらその日のうちにロックダウンを決定するというおよそ日本では考えられないスピードで意思決定が行われることで、被害を最小限に抑えています。新型コロナウイルスによる死亡者もこれまでわずか三人と、人口を考慮したとしても非常に優秀な成績です。
でも、独裁政権って民衆が搾取されて苦しんでいるんじゃないの?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、独裁にありがちな民衆の不満というものはほとんどなく、国王の誕生日パーティーには国民が駆け付けて国王とゼロ距離でコミュニケーションをとるほど非常に愛されています。
何故、独裁なのにこれほど安定した国家運営ができているのか、その秘密は二つ目の特徴、資源にあります。
ブルネイは石油と天然ガスという資源に恵まれており、それを輸出することで経済を回しています。一人当たりのGDPで換算すると、日本よりも高いという非常にリッチな国です。そのおかげで所得税・消費税はなし、医療費、教育費も無料という社会福祉に厚すぎる国なのです。国民もその恩恵を受けているため、全く不満なく生活しているというわけですね。
それでは、一番恐ろしい三つ目と四つ目の説明していきましょう。
同性愛と不倫、そして窃盗に対する厳しすぎる刑罰についてです。
この刑罰が導入された背景に、このブルネイがイスラーム教国であることがあります。なぜこれらがイスラム教においてダメなのか説明すると、恐ろしく長くなってしまうため、割愛させていただきますが、イスラーム教の聖典、クルアーンによるとこれらの行為は禁じられています。
イスラームの価値観に基づいたシャリーア法というものが施行され、これらの行為が厳罰化されたのですが、実際にはこれらは行われていません。文面として存在するが、事実上、この刑罰は停止されていると言えるでしょう。
以上、四つの特徴について説明しましたが、まとめると、ブルネイは国民が治安も良く、リッチで平和に暮らすイスラーム教国だということになります。
おい!ふざけんな!心配して損したじゃねえか!というそこのアナタへ
最初に挙げた四つの特徴のうち、資源を除けば非常にドラスティックなものを抽出して、しかも国の背景を捨象して紹介したため、非常に危険な国かのような印象を読者の皆様に与えました。しかし、実際は非常に治安も良く、快適な国であることがおわかりいただけたでしょうか。
僕は噓をついていません。ただ、情報を切り取って提示しただけです。
人間は極端な情報に目や思考を奪われます。SNSやメディアを見ていると、こうした行動は度々発生します。それに感情や思考が支配されることなく、情報を様々なところから集めれば、真実に近いものが見えてくるはずです。
不安にさせてごめんなさい笑
でも、現代社会を生きるうえで非常に大切なことなので、心にとめておいていただけると嬉しいなと思います。
最後に
非常に長くなってしまいましたが、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
人生全体を俯瞰して客観的に考えた時に、どの期間がどれだけ重要なのか判断するのは難しいことですが、留学という貴重な体験をしている現在地が重要になってくるのはおおよそ間違いないことでしょう。いや、むしろこの現在地を意味のあるものにしなければならないなと考えています。
大学で学べることを学び、日常で様々な価値観に触れて一歩一歩成長していきます。
それでは、また。
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