わたしのしあわせなお茶の時間
晩ごはんを食べ、片付けをして少しゆっくりした頃、その時間は訪れる。
「お茶にする?」わたしのその一声で。
わたしの家にはたくさんのお茶がある。
たくさんの種類の紅茶に始まり、ジャスミン茶、台湾烏龍茶、静岡県のぐり茶、倉敷のほうじ茶、様々だ。
その日の一日の終りのお茶のために買っておいたお茶菓子。
それに合わせてじっくり、ゆっくりとお茶を選んで淹れる。
お湯をいれると、茶葉がふわっと柔らかく広がる。
蒸らすためにじっと待つ間に、安らぎで満たされる。
お茶を淹れる時間がわたしは好きなのだ。
夫はわたしが淹れたお茶を一緒に飲むのが好きなようだ。
いつも静かに待っている。
お茶が入ると机に寄ってきて、カップに手を伸ばす。
ゆっくりとすすった後、ほうっと息を洩らす。
幸せそうな姿をみて、わたしは心が暖かくなる。
そうしてお茶菓子をふたりで一緒に食べ、お茶を飲み、お話をする。
テレビや携帯にふたりの時間を奪われることなく、一緒に一つの話題について語り、笑い合う。
その時間がわたしにとって一日のなかで一番しあわせな時間なのだ。
明日は、近くの和菓子屋さんのお菓子を買ってくると夫に約束した。
明日のお茶の時間もとても楽しみだ。
今からそのひとときを考えただけで、胸のあたりがぽかぽかするのだ。