日本語は世界で最も難しい言語である!?
日本語は世界で最も難しい言語である、とよくいわれるが果たしてそうだろうか!?
【海外の反応】「日本人は語学を操る超能力者か!? 」イギリスBBCで日本語特集が組まれ、日本語が複雑すぎて世界中が絶句
いな、日本語は初級学習者にはむしろとっつきやすい言語である。
1) かな・カタカナ・ローマ字・漢字、かつ絵文字があるにしてもとりあえずローマ字を使えば書ける。
2) 日本語の母音は[ a/i/u/e/o] と限られており、文字と発音が呼応しているので、音が取りやすく、とりあえず発音しやすい。
3) 日本語は同音異義語が多いが、文脈を考慮することによって各々の語を区別すると共にそれぞれの語に漢字を当てることで区別できる。
例:きしゃのきしゃがきしゃできしゃする。
→貴社の記者が汽車で帰社する。
この文を見て分かるように、ひらがなだけの文より、かな漢字混じり文のほうが分かりやすく、日本語はパターン認識でも優れている。すなわち、日本語文は、漢字・カタカナ・時にはローマ字が<図(figure)>となり、それに「かな」が [地(ground)] となっているので、視覚的な[ 地<図>]のゲシュタルト認知が容易であり、認知心理学的にも優れている。
4) 日本語は語順に柔軟性があり、She gave him a chocolate.のように語順に厳しい英語と違って、「彼女は彼にチョコをあげた。」でも「彼に彼女はチョコをあげた。」でも、「彼女はあげた、彼にチョコを。」と語順は順不同でも通じる。因みに、これは日本語が持つ助詞のお陰。
5) 日本語の文は最後まで聞かないと肯定文か否定文か判断できないと言われるが、適当な「副詞」を文の始めの方に置くと、肯定文/否定文(文法的には極性と言う)の予想がつく。例えば…
・日本語は、”完璧に”→話せる。絶対的肯定文
・英語は、”少しだけ”→話せる。相対的肯定文
・ドイツ語は、”少ししか”→話せない。相対的否定文
・フランス語は、”全く”→話せない。絶対的否定文
(因みに、この場合の「は」は主題・範例を示す助詞)
6) 日本語には人間関係における自分の位置を示すために「一人称」「自称」の表現が豊かだけれど、とりあえず「ワタシ」と言っておけば通じる。
7) 日本語は「敬語」:尊敬語・謙譲語・丁寧語の使い方が面倒だと言われるが、とりあえず丁寧語を使えば切り抜けられる。例えば、「食べる」の尊敬語「召し上がる」、謙譲語「いただきます」⇒丁寧語「食べます」
8) 「魚」を数える助数詞が多様だと言っても、バットのように細長ければ、「〜本」、紙のように平べったければ、「〜枚」と数えるように具象から抽象できるので、認知言語学的に理にかなっている。
このように、日本語は初級学習者には簡単なのだ。しかし、日本語母語話者のように日本語を極めようとすれば奥が深く、簡単ではない。日本人は、外国人 (外人さん) に対して、お客様扱いをしている段階では甘々だけれど、自分たちと同類の日本人と見なす・認める段階では非常に厳しくなる。
⇒日本語と英語の特徴
⇒語句順訳のすすめ
⇒無標主題と有標主題
⇒象は鼻が長い英語構文