太陽が差していた頃
学生の頃、試験だとかそういった事情で珍しく乗った昼下がりの電車
あの電車が好きだった
僕がいつも通学に使う電車は東京とはいえ田舎に通る電車で、僕の乗る駅なんて、ましてや昼過ぎなんて乗ってる人はほとんどいない。
そしてあの電車は車輌と車輌の間に扉がない
だからどの車輌に乗っても運転車輌まで全ての車輌が見渡せる
とても開放的で世界の中心は自分、俺のための電車のようでとても心地よかった。
珍しく朝寝坊して走る朝、なんとか駆け込んだ
この電車に乗れば、ほんと時間としてはギリギリというか遅刻は免れる。
と、思ったけどこの主人公は僕だ、そう僕だ
どうしようもない馬鹿だ、馬鹿みたいに適当なくせに律儀な僕だ、前日の夜に荷物はリュックから出してしまっている。試験だから教科書はいらないけど、筆箱を忘れたほんと馬鹿だよ
もう最悪だよ駅から降りて走った。遅刻は回避できたと安堵した学生をすり抜け最寄りのコンビニに駆け込んだ
そして学校の門をくぐった瞬間テスト開始十分前の音が鳴る、要は遅刻確定、でもまだ間に合ういや間に合ってはねーんだけど、そうしてかろうじて教室に飛び込んだ時は先生が答案用紙を配り始めた頃かろうじてテストには間に合った
梅雨の頃
てか最近梅雨って季節消えたくない?
まあいいや、雨の降る日が高校時代嫌いだった
先輩に限らず同じ高校の制服を着る人が怖くて最寄り駅から高校までの道はとても狭くて雨の降る日は傘が民家の木々に当たって露が跳ねそのたびに先輩の目が怖くてどうしようもなかった
高校をやめる間際、皮肉にも学外で彼女ができた、退学したぐらいには人間関係に切羽詰待っていた自分にはそこが唯一の居場所のように感じた。
そうして2020年に戻る。
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