残冬

雑用で東京の外れまでバイクを進める1時間ちょっとの朝。流行りの音楽が流れる耳はいつしか慣れきって音楽の歌詞なんていつからか聞こえなくなっている
この暑さはいつまで続くんだ。まだ明け方だろ。
自分は暑さに強い方という自覚がある、けれど今年はもうダメかもしれない。
ただでさえ今はノスタルジックな気分なんだ。少しでも暗い考えを引き出したらあっという間に支配されてしまう。駄目だ、
駄目だ
駄目だ
そうわかっていても、つい考えてしまう。
あのとき、あの冬の日の別れ際を。あのときの最後の会話を。


仕事中だろシャンとしなきゃ全く。

そうだ暑さも落ち着き厳しい冬が顔を見せた頃、あの夏にくるんで僕は全部過去にするはずだ、今までそうやって全部なかったことにしてきたじゃないか
だからそれまでは、今を今のまま苦しめればそれだけで後悔はないよな

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