【酒飲編Vol.81】BB&R スピリットオブヨークシャー 2017 6年
Spec
ベリーブラザーズ&ラッド スピリットオブヨークシャー 2017 6年
ホグスヘッド-PXカスクフィニッシュ
カスクNo.2237
57.6%
評価
美味しさ:6.5/10
お気に入り度:7.5/10
総評:7/10
ノート
◯香り
ラムレーズンブラウニー、ファンタグレープ、香水、溶剤。かなり異質な香り。
◯味
甘旨構成。葡萄の皮、ステーキ、ビスケット。いずれも若干の焦げ感を伴う。唐辛子のようなヒリヒリ感を感じると同時に、それらは引いていき、最後にタンニンと僅かな麦感が残る。時間経過で全体的にかなりモルティに振れる。
◯ボディ
色も味の強さも一見大きく見えるけどミディアム。
◯フィニッシュ
やや短め。タンニン、香水、グレープガム。
コメント
比較的最近購入。
ついついやってしまう新興モルト漁り。今回の一本はイングリッシュより、スピリットオブヨークシャー。
こちらのヨークシャー蒸留所は、端的に言うと「スコットランドにウィスキー用の大麦卸してるんなら自分達でも作れば良いじゃん」という設立背景がある蒸留所。大して当たりを引き当てた事があるわけでも無いのに、ローカルバーレイの蒸留所がなんとなく気になってしまう筆者はこういうボトルをホイホイ買ってしまうのである・・・。
味の方は、一言で言うと「飲むグレープガム」。めちゃくちゃ風変わりなスピリッツと樽使いで、邪悪な色とタンニンの割に軽めのボディ、何より香水のような香りがノーズとフィニッシュで躍動するという変態系ボトルとなっている。
完全に新感覚なウィスキーでお世辞にも美味いとは言い難いが、意外と自分は嫌いでは無いと言う。()
これは完全に好みの問題だが、自分はこの人口甘味料・香料的な感触よりも、STRカスク等で感じるエグみのあるウッディさやバニラ感の方がずっと苦手。そういう訳で何かとSTRなコッツウォルズよりずっとポジティブに、美味しくいただけていると思う。
さらにこのボトルについては、注いでからしばらくすると中盤辺りに(樽に圧殺されていたのであろう)かなりの麦感を感じるのも好印象。ローカルバーレイの面目躍如と言った所か。ウィスキー?と思わせるような一口目から、飲んでいくうちにそれなりにウィスキーな体裁が整っていく辺りも飲んでて結構面白い。
そういう事もあり、このボトルは月並みなモルトの気分では無い時のオプションとして普通に飲み付けている。お気に入りボトルでないものはブレンドして飲む事が結構あるが、正直コレはブレンドしてもしょうがない味だし、ブレンドしない方がずっと楽しめる。
純粋な旨さとは違う立ち位置でしっかりキャラ立ちしている、愉快な変態ボトルである。
余談ですが、自分は所謂「80年代〜90年代のパフューミー/ソーピーなボトル」というのを経験した事がない故に、このボトルの香水っぽさがそれに通づるものかどうかはわかりませんのであしからず。