【酒飲編Vol.33】ロッホローモンド インチマリン 2011 10年 Y’s cask
Spec
ロッホローモンド インチマリン 2011 10年 Y‘s cask
1stフィルリムーザンオークホグスヘッド
カスクNo.20/379-1
64.2%
評価
美味しさ:5.5/10
お気に入り度:5/10
総評:5/10
ノート
◯香り
刺激のある溶剤、フルーツ香。フルーツ香はパイン等の黄色い果物の背景に葡萄という感じ。加水するとそれらの香りがウッディな方向へ収束していく感じに。
◯味
スパイシーで甘苦い樹液。バターっぽい。アルコールの刺激が強すぎてとっ散らかってる。加水で薄めた方がモルトの存在を感じるようになるし味わい的にも良いが、かなりスパイシーなのに変わりはない。
◯ボディ
度数と樽由来のフルで本質的にはミディアム。モルトの主張だけで言えばライト。
◯フィニッシュ
中程度の長さ。バタートーストの香り。ちょっとケミカルなフルーツ香が乗っている。
コメント
これまでインチマリンはバーボンカスクで複数の当たりを引き当てていたので、ちょっと違うスペックのものを・・・と思い購入。当時はまだ度数は高い方が良いと思っていた。
個人的にはコレはかなりの失敗ボトルで、逆に学びの多いボトルでも多かった。
敗因かつ学びポイントはいくつかあるが、
①インチマリンのケミカルフルーツと苦味が、葡萄系の樽だとあまり良い方向に振れないという所に気付けなかった点。
インチマリン12年の苦手な部分が逆算出来る香味をしている事に後日気付いた。
②1stフィル・リムーザンオーク・ホグスヘッドというスペックの地雷ぶりに気付けなかった。
・1stフィル→効き強め
・リムーザン≒ヨーロピアンオーク→味も強くなるがエグみは特に強く出る。
・ホグスヘッド→効き強め、特にエグみ強め
そんな感じでケミカルフルーツ以外の要素が樽でぶっ潰された感じの味わいで、しかもコレはSTR等で感じる気持ち悪い方のバター風味が乗ってしまっている。今購入を考えるなら絶対に避けそうなスペック。
逆にこのボトル辺りで1stフィルのギャンブル感にようやく気付けたと思う。
③短熟・高度数・シングルカスク。長熟でもない限り60度以上残っている樽にあまり当たりが無いなと気付いたのもこの辺り。中にはハイパのシングルカスクの様に美味いものもあったが、言うても「歪だけど美味い」部類。大抵は「歪でよろしくない」方向に転ぶなぁというのが色々飲んだ上での結論。
コレとコッツウォルズは後のボトル選びにかなり影響したと思う。個人的にはとても良い失敗。こういうのも酒の面白い所だと思っている。
因みにこのボトル、購入当初は某ツイで高評価しているが、購入直後・試飲直後でテンション上がってる≒冷静な採点が出来ていないという所も実に学びのあるポイント。せめて初開栓から1ヶ月ぐらい経ってようやく正しい評価が出来るようになるのかもしれない、と思い今は開栓直後のレビューは避けているという・・・(笑)