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【酒飲編Vol.27】BB&R アードモア 2009 13年

Spec

ベリーブラザーズ&ラッド アードモア 2009 13年
ex-アイラバレル(おそらくラフロイグカスク)
カスクNo.709322
55.3%

評価

美味しさ:9/10
お気に入り度:10/10
総評:9.5/10

ノート

◯香り
レモンやシトラスなどのフルーツ。やや薬っぽい潮風と剥き出しの木材。
◯味
塩気とモルトの旨み。後から透明なシロップと少しのスパイスが追ってきて、ちょっぴりヤングな苦味が残る。ピートがしっかり効いている。ラフカスクの効果か海っぽさも陸っぽさも感じる。時間経過でカラメルのようなニュアンスが出る。
◯ボディ
ミディアムやや軽め。だがモルトの骨格がしっかり残ってる。
◯フィニッシュ
長い。ピートと木材置き場のような香りが長く伸び、最後は海っぽい余韻へ繋がる。

コメント

先日紹介したアードモア30年は確かにボトル買い初めて以来最高のボトルで、今年最大の巡り合わせだった。一方で、スペックからしても価格からしてもある程度当たりが予想されたボトルで、年数がエラいのか、価格がエラいのか、銘柄がエラいのかイマイチ判断が付け辛い部分もあった。
そこで仕入れたのがこちらのボトル。ラフカスク熟成といったちょい変態スペックだが、アードモアはどちらかというと煙たい銘柄だし、アイラは好物だしいいやと思って購入。

コレがまた途轍もない美味さで、アードモア30年が今年最大の出会いだとしたら、こちらのアードモア13年は今年最大の驚きだった。
もちろん若さなりの刺激はあるし、粗削りな部分もあるが、そこを差し引いても驚異的な完成度のモルト。30年と比べても、酒質由来と思しき旨み、口に含んだ後に広がるアロマの強さ、キャラクターの立ち方、どれも同じ路線の上に居ると同時に、遜色無い仕上がりと言って良い出来。なんなら注いだ直後の香りの立ち方は度数の高さも相俟ってこちらの方が上。30年のようなうっとりするような美味さでは無いが、若くて刺激的で目の覚めるような美味さ。
もしかするとラフカスクの影響で半ばブレンデッドモルトのような構成になっているのもミソなのかもしれないが、30年とのキャラクターの差異の少なさからするとそれだけでは絶対にこうならないと確信している。紛れもなくこれがアードモア蒸留所の実力で、初めてレガシーを飲んでピンと来た自分のイメージは正しかったと改めて思う。粛々とティーチャーズに原酒提供していた蒸留所のとんでもないポテンシャルを思い知った瞬間だと思う。
なお、本ボトルは後日買い足した。買い溜めしたのはクラシックオブアイラ・ハイパCSバッチ2以来3本目である。ついつい飲みたくなるボトル故に、現ボトルは凄い勢いで減っている(当社比)。

このボトル以降、巡り合わせ的にアードモア買い足しは行っていないが、アイラと違って高騰していないので常に新ボトル探しの際には選択肢に入るように。アードモアという銘柄は、間違いなく今年最大の発見であったと思う。


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