【酒飲編Vol.78】新潟亀田 ハンドフィル
Spec
新潟亀田 ハンドフィル (at リカーマウンテン渋谷)
ノンピート原酒
バーボンカスク-ハンドフィル用カスクで数ヶ月追熟
2年+α
(2024/07/27ボトリング品)
500ml
60.0%
評価
美味しさ:8/10
お気に入り度:9.5/10
総評:9/10
ノート
◯香り
バナナ香を中心に甘いバニラを纏ったオークや畳のニュアンス。やや溶剤っぽさもある。口に含むとメンソールや線香、和室などかなり和風なニュアンスも。
◯味
バーボン風味の苦味とモルティな旨み。度数からするとかなり穏やかで落ち着いた味わい。モルティな部分は余韻まで伸びるが、途中からカラメル風味になり、続いてスモーキーさを醸し出しながら続いていく。心なしかモルティさには米っぽさも感じるような・・・
なお、グラス放置で和風な部分は徐々にカラメル・チョコレート風に変化していく。
◯ボディ
ミディアムやや軽め。度数から考えるとかなり軽いと思う。
◯フィニッシュ
かなり長い。スモーキー&辛口オーキー。しばらくするとスモーキー&ミーティーに。更にはスモーキー&クリーミーに。フィニッシュだけ別次元の酒になったように長く、異質。
コメント
比較的最近購入
・・・と言っても先日の投稿でnote開始時点で開栓済みのボトルについて言及し終えたので、以降は全て最近購入のものなんですが・・・笑
いつの間にやら、学生時代に楽器とCD漁りをしまくった渋谷の宇田川町にリカマンが出来てるではないか!それもハンドフィルなんて珍しいものを提げて!
・・・という事で、この日はワクワク気分で渋谷に向かい、あらかじめ狙っていたこちらの新潟亀田をハンドフィルして来た。三郎丸も迷ったけどネ。
自分は蒸留所に遊びに行くタイプのアクティブな人間ではないので、ハンドフィルという行為自体もなかなか面白い経験をさせてもらったのだが・・・。
・・・コレ凄いっすね。温故知新も感じるけど完全に未来のウィスキーって感じ。いや、3年熟成じゃないから厳密に言うとウィスキーじゃ無いんだけどね、コレ。
個人的な感想は、「本当はコッツウォルズSTRにはこうなって欲しかった」という味わい。
短熟なりの味わいの真っ直ぐさは感じるが3年以下とはまず思わない。比較的ウッディだが気持ち悪いバニラ感はなく、アルコールのトゲトゲしさも少ない。言い換えると、STRとかで感じる熟成の不自然さをほぼ感じない。
そして特筆すべきは圧巻の余韻。とにかく長くて心地良い。本ボトルは一応ノンピートという事にはなっているが、日頃ピーテッドも作っている事もあってか余韻周りはかなりスモーキー。それも相俟って短熟的な要素やボディの軽さに比例しない力強さを備えている。1日の最後に飲むべき1杯。(こういうのに弱いんだおれ・・・)
新潟亀田について調べると、どうも「フルーティで淡麗で余韻の充実した」酒作りを目指しているようだが、それはこのハンドフィルで受けた印象そのもの。実によくコントロールされていると思う。熟成環境もかなりの種類用意しているらしく、このスピリッツをベースに今後色んなバリエーションが楽しめるのかと思うと期待感しか無い。
純粋な美味さで言えばそこまで突出したものは無いが、この型破りな味わいの衝撃度はかなりのものだった。今年出会ったボトルに関して言えばベンリネス以来のショック。
今年の最美味ボトルtop3にコレを選ぶ事はまぁ無いだろうが、今年のマイフェイバリットボトルtop3にはおそらく入るであろうレベルの危険な1本である。