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【酒飲編Vol.75】カバラン ソリスト オロロソシェリーカスク

Spec

カバラン ソリスト オロロソシェリーカスク
アウトターン453本
カスクNo.S151231001A
56.3%

評価

美味しさ:9/10
お気に入り度:9.5/10
総評:9.5/10

ノート

◯香り
葡萄&プルーンがオーバーキル状態。焦がした黒糖、ブランデー、溶剤。フルーティーなエステル香が全体を下支え。
◯味
高濃度レーズンジュース。タンニンの渋み、葡萄の皮、黒糖、ビターチョコと変遷していき、ミント混じりのウッディさと共に余韻へと続く。
◯ボディ
フル(樽)。とんでもないシェリーボムだが、同時に味のシャープさが凄い。こうなるともうボムじゃ無い。シェリー・ゲイボルグ。
◯フィニッシュ
長め。飲めば飲む程伸びる。タンニン、ミント、オールドの片鱗があるようでちょっと違う黒糖。

コメント

比較的最近購入。
モルトマニアの友人I君とバーで飲んで、ちょっとショッキングな美味さだったので思わず同一ロットを探して購入(もはやパニックバイと言える)した1本。
そらそうよ、この日飲んだ錚々たるオールドモルトの数々を差し置いてコレが体感2番目に美味かったんだもん・・・(なおその日1番美味かったのUDレアモルトのベンリネス。流石にアレは桁違いだったけど・・・)
 
カバランについては、それまではトリプルシェリーを一度試飲した事があるぐらいで殆どノータッチの銘柄だった。そのトリプルシェリーも、評判通りなんちゃってオールドシェリーを感じるよく出来た酒とは思っていたが、いまいち線の細さを感じる仕上がりで、抱えて飲む気には・・・まぁ、ならなかった。
・・・だがコレは完全にモノが違った。
圧殺を超えたような樽味だが、長熟で出るような要素が垣間見え、しかしながらスピリッツは若く、線が細い。結果、オールドが垣間見えるのに刃物のようにシャープかつパワフルという、かなり個性的な味わいになっている。トリプルシェリーのような繊細でミニチュアなレプリカではなく、ウィスキーにおける理想の樽味追求を感じる事が出来る1本。
聞けば台湾の高温環境を逆手に取り樽の味を短期間で徹底的に出し切るという方針らしい。確かにスピリッツは樽味を邪魔しないように上手く“配置”されているし、おそらく樽の選定時点からかなり方向性を決めているのであろう。まさに「選択と集中」だと思う。
なお、我が家のボトルでコレに1番近い味わいなのはスペンサー・コリングスのブレンデッド。あちらはブレンデッドスコッチで、使ってる原酒の影響もありがかなりごつい。こちらはスピリッツがスッキリ爽やか一辺倒だが、おかげで刺さるようなキレと攻撃力があるし、更に樽が濃厚。さしずめハムバッカーとシングルコイルと言った所か。
 
本文も例によってのんびり飲みながら書いているが、この充実感は手持ちボトルでもなかなか無い。noteで9点台付けたボトルの中でも屈指の良さがある。
日頃ごついスピリッツばかり好んでいるが、ここまで振り切れていればこういうスピリッツでも素晴らしいんだなと思ったし、樽味を確認・勉強するにはカバランは非常に良いと感じた。
 
・・・・・まぁ、そんなんで後日カバランの樽味教材を1本導入した訳ですが()


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