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【詩】うっかり幸せになる
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そこはかとなく
値段とにらみ合いをした昨日
買い物かごの軽さ
世知辛いとだけ言うのは簡単で
私を切り売りするのはもっと単純で
補強材は深夜の横断歩道で青信号とともに
前転しながら消えていった
生き急ぐとは ああいうのを言う
毎日の表面を泳ぐのに長けてしまって
今日の奥底にある私だったもの
忘れがちだから八合わせてぎこちなく
お辞儀なんか
してしまう
こんにちは、あるいはこんばんは私
四つ入りのパンが三百円もしたのよ
まぁるいパンに(イングリッシュマフィンという
モツァレラチーズの上にアスパラを乗せて
気の向くままマヨネーズを落とし
それからオーブンでブンして
名も知らない鳥類が鳴いて飛んでいく快晴と
温度だけ忘れた秋風
寝たりない頭でも
自分なりに納得の朝(つまり、補強材がつく(感覚
うっかり幸せになる
今日の奥底の部屋は自然光にあふれ
珈琲に豆乳を落とし溶かして揺れる湯気
食卓
Lo-Fiミュージック あのチルなヴィンテージサウンド
いただきます