母 パーキンソンになる 10

 服薬を初めて半年以上、日によって、寒暖差や気圧の変化で体調の変化はあるものの特に病気特有の震えがきつく出ることもなく安定した日々に感謝している。とはいえ、年齢が年齢なので、病気からくるすくみ足だけではないと思われるのだが歩行の調子が安定しない。転ばれることが怖いので朝晩に加え昼もメネシット配合錠100を1錠飲むことにし1カ月様子を見ることとなる。 
 自動車の運転も自転車に乗るのも、手前だけ見ていては進行が安定しない。歩く時は頭を上げて前方を見てというのだが、怖さが先に立ってついつい足下を見てしまうよう。ここが今一番直したいポイントなのだが、こればっかりは簡単にはいかないのだろうな。

 食欲は変わらず、栄養を考えながら好きなおやつと合わせて飽きずに食べてもらうことが一番だと思っている。今は牛肉、焼き豆腐、舞茸、春菊のシンプルすき焼きが晩御飯のおかずのお気に入りのようだ。手間かけずシンブル、旬のものを食べてもらうよう知恵を絞る。歳を重ねると食べることが好きでも食べ方が変わる。量は食べられないので1日のバランスを考える。どうしても食べ切る分だけ作るというのは難しいので、主菜は残ることが前提、アレンジして翌日も食べられるようにすればよいと割り切ってから気が楽になった。

 もはや自分もなのだが、高齢になってきたら若い時の無理があちこち出てくる。ストレスへの対処、心身の蓄積疲労への対処を上手くコントロールしたいものだ。「この命誰のもの」という舞台があったが、若い時には解釈が及ばなかったそこここに想い馳せつつ、桜を待つ。


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