母 パーキンソン病になる14

 ふと気づけばもう今年も5カ月が終わろうとしている。が、我が家はというか私はメンタルがアップダウンどころかダウンダウンの日々である。
ドパミンを補う薬を1日に4回にしたところ、初めは調子が良かったのだが、その薬の影響なのか、新たな症状なのか、変更した血圧の薬との兼ね合いなのか、幻視が増えた母に翻弄されている。

 「コート着たまま あなた人のベッドで寝ているけど、大丈夫なの」
・・・大丈夫?っていわれてもね、あなたが今電話をかけてきて、話している私は仕事中、大丈夫もへったくれもない・・・
「大丈夫ですよ。それは私のように見えて私ではないのですよ。脳みその中の記憶だったり思い込みだったりが映像として見せているのだから」と説明したところですっきりと理解はしていない。とはいえ、よくよく質問を重ねていくと、はっきり見えているのてはなく見えるような、知っている人のような知らない人のような、と曖昧になってくる。
見えて気になるのだったら手を伸ばして触ってみて、本物なら反応があるけど偽物は消えるから。
ひとつひとつYES No式に話を進めていくと落ち着くのではあるが、これが毎日毎日繰り返されると、当方のダメージが深くなってくる。
こういう積み重ねが介護鬱なったり介護疲れからの事件につながったりするんだろうなと思いつつも、いつ自分のメンタルが崩壊するのか一抹の恐怖を覚えている。

 高齢者の幻聴幻視は認知症の症状だけなのだろうか。薬の副作用でもおこるのではないだろうか。家族の方はもちろん、店舗などで接する方々にも少しだけ覚えておいてほしい。単にボケているだけではなくて、記憶の蓋が開いてしまって過去の記憶がたまたま当事者である本人には今見えているのかもしれないと・・。そう思えば一呼吸おいて冷静な対応ができるかもしれないから。その点を除けば普通だったりするから、扱いがなかなかに難しいのである。
なんとかならないもんかねー・・・

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