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営業職からデザイナーへと越境して学んだ5つのこと

今年の6月から僕の社会人2年目がスタートしました。
転職をして記事を書いてからもう半年。未経験のデザイナーとして株式会社アトラエに入社し何を学んだのか軽く振り返ろうと思います。

今では組織のエンゲージメントを高めるwevoxでデザイナーとして働いています。その他にもリクルートサイトなど全社的に横断したデザインも兼任して日々邁進しています。

自分史史上でもっとも濃く刺激的だった半年。
他の職種でも当てはまりそうな学びがあったので、事業会社でデザイナーになられる方や、未経験でデザイナーへ転職される方などのお役に立てれば嬉しいです。

1.未知を怖がるな
2.正解は誰もわからない
3.デザインを分解する
4.会社におけるデザインの境界線は自分次第
5.デザイナーの価値とは

1.未知を怖がるな

職種を切り替えることは怖い。未知のキャリアへ踏み込むことは不安がある。営業職からデザイナーへの転職。

当初エージェントも少し相談をしていた僕ですが、「どんなキャリアを描きたいの?」面談で何度も耳にした言葉。僕は自分が「人に語っても恥ずかしくない、良いものが創れるキャリアだったら何でもいい。」それくらいに考えていたのですが、デザイナーという職種で転職を開始してみると、UXデザイナーというマーケターのお仕事、ディレクターのという名の工数管理の仕事などの紹介も多数ありました。

ⅰ.デザインというものはすごく勘違いされている

市場的にデザインというものは表層の部分を仕事と捉えている人が多いです。

※DesignShip2018より抜粋

だからデザインをこの前提でキャリアを話されるとスキルに片寄った話にしかならない。僕自身表層的なものだけでなく、良いものを創るために必要なことを目的から情報設計し具体的なことまで落とすことができる仕事がしたかったのですが、ここをデザインと認識してもらえないと話が噛み合わない。

ⅱ.人事でさえ、エージェントでさえビジネス×デザイン掛け合わせ人材がどうなるかわかっていない

ⅰの背景があると、キャリアを描くにもエージェントや人事の方は自分の知っているフレームに落ちないのでキャリアとしての具体案が提示しにくい。だから自分でもモヤモヤする。正直自分でもどんな仕事があるかなるかなんてわかっていない当時でした。

ⅲ.転職してみたら意外と似たような人はいる

実際こんなことがあって、最後は自分自身の想いや価値観と、「人に語っても恥ずかしくない、良いものが創れる」、「デザインという領域でチャレンジできる」というピースが全部奇跡のようにハマってアトラエで働き始めたわけですが、転職して事業会社のデザイナーさんなどと交流すると意外と似たような人はいるんだ。と実感しました。

誰も認識できていない。わかってもらえないキャリアだからこそ希少価値もあるし、自分でそのキャリアを創れる。そんなことを学びました。

これはプロダクトづくりにも同じことが言えるんだろうなと。ラベルや既存のフレームがないものにこそ面白いチャンスのタネは隠れてる。

だから未知を怖がらずにどんどん越境したらいいと思う。

2.正解は誰もわからない

今の仕事ではデザインとしての仕事として

企画→デザイン→実装(コーディング)という流れを行なっているのですが、デザインには大きな苦労がありました。(今でもありますw)

デザイナーとしての初めてのアウトプット処女作となった機能。かなり恥ずかしいことに1個つくりきるのにかなりの時間を要しました。

ⅰ.いつしか周りがOK出すもの=良いものという逃げの姿勢になっていた。

機能をつくるにあたって、機能の目的を定め、誰に、何を伝えるもので、どんな情報を載せるのか、そのためにどんなインタラクション、イラストにしていくのかなどを考えていく。

その過程で自分の中で最初に決めた目的が薄れ、チームメンバーにFBを求めてそのFBをもとに考えてしまいました。

その結果なんのための機能なのか見えなくなってしまい、ズルズルと後ろに伸びてしまうという事態に。

ⅱ.目的を明確にブラさず掲げるのもデザイナーの役目

積極的にCS(カスタマーサクセス)メンバーに意見を求めていた僕ですが、ユーザーの声はすごく大事でありつつも、ユーザーの声を切り分けないと八方美人な機能になってしまう羽目になります。もらった意見は目的に沿っているのか。今ここで追加しないといけないものなのか、別の機能で追加したほうがいいのか。

足し算ではなく、引き算を意識することを強く学びました。
その上でデザインにおける正解は他人が言っていることではなく、自分が採用した要素に対して説明できるか。説明責任が果たせるものか。シンプルなものは説明しやすい。

ユーザーの声がたくさん存在して、声を聞いているうちにブレてしまうからこそ、ビジョンや目的などの旗を掲げてみんなが目指す理想像をブラなさないのもデザイナーの仕事だよ。

先輩に言われて気付かされた半年でした。

3.デザインを分解する

自分たちが創っている事業を伸ばすためには、どんどんプロダクトをブラッシュアップしないといけません。なのでデザイナーが時間をかけすぎて開発が遅れてしまうのは問題です。

ついつい見た目にこだわってしまって前に進むのが遅れてしまった。そんなことが沢山ありました。(大きな反省)

「困難は分割せよ」とデカルトが言うように、「問題は切り分けろ」とビル・ゲイツが言うように、クイックに進めるためにはデザインも分割することが大事。

ギャレットの5段階モデルというものがあります。

いろんなnoteの記事で再解釈されたりもしています。

自分が今なんのデザインをしていて、どのフローを実施しているのか考えると思考がごちゃつかずに楽になりました。

ⅰ.デザインは残りの2割が壁

仕事を進める上でデザインは残りの10%〜20%が大きな壁になることも学びました。

最初に仕上げる8割というのが前述したギムレットの5段階で言うところの構造的情報デザインの部分。

そして残り2割は表層部分でのインタラクションやナビゲーションデザイン、メタファーとして用いるイラストの選定などの部分はこだわればこだわるほど時間は溶けていきます。

2割についつい目がいってしまい、そこに時間を溶かすとプロジェクトが遅れる原因になりません。僕が尊敬する先輩たちはどうやら仕事の進め方として、8割までを出来るだけ高速で仕上げ、2割に時間をさいているようです。

4.会社におけるデザインの境界線は自分次第

この半年で“デザイン”に対する解釈は少し大きく広がりました。

デザインは設計。だから設計したいと思ったものは全てデザインの範囲内。

プロダクトのデザインだけでなく、ユーザーとのコミュニケーションをどう設計するのか、コミュニティをどう設計していくのかもデザインの範囲内。

だとしたらもっと営業やCSにも介入していける点は見つかるはず。

組織もデザイン。採用をどう設計するのか、組織のブランディングをどう設計するのかもデザインの範囲内。

だとしたらもっとデザイナーとしてもっと組織横断で動くべきことがあるはず。今では強くそう思います。


デザイン経営宣言という言葉を皮切りにデザインの影響範囲やあり方について考える場や議論をする場が増えてきていることからも視えてきます。

現在は、CI(コーポレートアイデンティティ)について勉強を進めているのですが組織を作ることも本当にデザインなんだなと感じる内容でした。(詳細は別でまた書きます)

境界線は自分がどこまで設計をする認識を持つか。デザインというスキルの奥深さを痛感した半年でした。

5.デザイナーの価値とは

ⅰ.共通認識をつくる
ⅱ.プロダクトの競合優位性をつくる
ⅲ.ユーザーの代弁者である
ⅳ.ユーザーを笑顔にする

ⅰ.共通認識を作る

何か視覚で認識できるアウトプットを生み出すこと。

これは1つデザイナーの強みだと思います。チームで議論をしているとついつい抽象論の部分で議論が発散して、収束しないこともあります。

何かを生み出す時に、目に見えるものをつくることで共通認識が生まれます。その共通認識を持って議論をすると、より具体的な議論になります。

プロトタイピングのような手法で認識の土台をつくり、チームが同じ方向に動くことはとても価値のあることだと思います。

ⅱ.プロダクトの競合優位性をつくる

サービスにおいて触りやすい、使いやすいということはすごく重要になってきます。特に僕たちのwevoxではSaaSモデルの事業ということもあり、チャーン率を下げることもビジネス観点では重要になってきます。

いかに使いやすい、使っていて気持ち良いものを生み出すのか。ここを司るのはUIUXだと思います。UXにおいてはプロダクトだけでなく、CSの対応や日々のSalesのコミュニケーション、加えて会社としての印象も重要になってくる箇所でもありますが、プロダクトの影響力は特に強いと感じています。

ⅲ.ユーザーの代弁者である

先日行われたDesignScrambleでのデザイン経営カイギ

ここでも色んな企業の経営陣やデザイナーが議論を交わしたイベントでもあったように、デザイナー性質上ユーザーに近いため、ユーザーの声を一番理解し、一番代弁できないといけない職種でもあると思っています。

ⅳ.ユーザーを笑顔にする

これは言わずもがなですが、笑

やっぱり使ってくれる人が笑顔になってくれるもの創りたいですよね。
wevoxチームで働いていて先輩がちょっとした気遣いでアニメーションやキャラクターを入れているのがtoBサービスとして最初はすごく新鮮で。でもすごくそういったゆとりが個人的にほっこりしたので、この感覚は忘れないようにしようと思いました。

最後に

2018年の6月からデザイナーとして右も左もわからず入社しましたが、周りに尊敬できる仲間や外部の先輩がいて、自由に動ける環境があったからこそ得た学びです。直近に必要なスキルも色々と各論的にはありますが、何よりスタンスがすごく重要だなと改めて感じました。

職種はあくまでも成し遂げたいことの手段でしかありませんが、存分に職種の力を行使できるように走れる2019年にしていきたいなと思います。


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