第九の呪い
9はどんな数字?
「ナインス・コンプレックス」という言葉を知っていますか?
「魔王」「野ばら」などの歌曲で有名な作曲家シューベルトは、憧れの先輩であるベートーヴェンを超えたくても超えられらいとコンプレックスを持っていました。
特に第九より素晴らしい曲が書けないことに悩み、9作目の交響曲を作曲している途中で亡くなりました。また、シューベルトのほかにも第九を超えたいと思う作曲家は多くいましたが、どの作曲家も完成させることができなかったため、九番目の交響曲を書くことに対する苦悩が「ナインス・コンプレックス」と呼ばれるようになりました。
「9」という数字に執着する、憧れへの葛藤を描きました。
ナインス・コンプレックス K4ME / feat.初音ミク
まずは、楽曲をお聴きください。
王道アイドル曲のわけ
K4MEはまだまだ未熟なので、色々な曲調を試しながら自分の得意なジャンルを模索中です。なので、今作では王道アイドルソングに挑戦し、明るく元気いっぱいの音楽を作りました。PVを見ずに聴くと、虹色の世界が映るのではないでしょうか。
アイドル=偶像です。主人公の憧れは、いつしか偶像となり、本当の姿を失いつつあったのではないかと考えています。シューベルトはベートーヴェンの葬儀に出席するほど、強い憧れを抱いていましたが、実際に話したり会ったりした機会は少なかったようです。なので、知らず知らずのうちに憧れの人の偶像を自分の頭の中に作り、それを超えるハードルが一層高くなっていたでしょう。
楽曲解説
・冒頭
冒頭はもちろん、第九の有名なフレーズです。
そして、それを遮るようなピアノの不協和音
盤を両腕で叩いた時になる音を使いました。この数秒で、第九が憎いほど悩んでいる様子を表しています。
・Aメロ
アイドル曲と言えば!のカノン進行です。ベースラインが音階になっています。2番のAメロには第九のヴァイオリンパートがオマージュされた旋律が登場します。(第九 第四楽章 289小節)
・Bメロ
オフビートでいったん落ち着かせます。ですが、ベースはB♭がずっとなっており、いつサビが来るのかと、緊張感をを残した状態です。これはベートーヴェンが楽章をまたぐときなどによく使う手法です。
・サビ
ベースが躍動し、ブラスも加わって一気に盛り上がります。初音ミクの高音にも注目です。
Thanks
〇Movie
惠様
https://x.com/4rtless_
〇Mix&Mastering
FirasticalSWG様
おわりに
いつも応援してくださる皆様、ありがとうございます。
K4MEの活動を末永くよろしくお願いします。
カメのように長く愛されるボカロPを目指して
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