
MLSの黒人監督に対して「本当にの変化」が見受けるロビン・フレイザー
ゆっくりだが確実に、確実にクラブの監督や重役に黒人が占める割合が大きくなっている、とロビン・フレイザーは語る。
コロラド・ラピッズは2019年にクラブと契約した時はリーグで唯一の黒人監督で、これを機にMLS内でもダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンのコミッティが発足され、 「Black Players For Change」という選手主体のイニシアチブも始まった。
現在、フレイザーの他にも、シカゴ・ファイアのエズラ・ヘンドリックソンやコロンバス・クルーのウィルフリード・ナンシーが彼と同様黒人監督として活躍している。
「これは方針の影響か?直接的な関連性を見出せるかはわからない」と、フレイザーはフロリダで行われていたラピッズのプレシーズンキャンプ時のMLSsoccer.comの独占取材の際に回答した。「しかし、この方針が形になっってから、ウィルフリードは2つの職を与えられた。エズラはアシスタントコーチ、セカンドチームコーチから監督という地位まで成り上がった。これで自身を証明するチャンスは得られた。なので、まだ変化の初期だと思う。」
Robin Fraser has left an indelible mark on the sport.
— Major League Soccer (@MLS) February 7, 2023
He was an outstanding center back who was known for his tenacity, skill, and leadership. He played for some of the best teams in league history and also played for the United States Men's National Team, earning 27 caps. pic.twitter.com/dYgdsdUOTQ
進歩の兆候
フレイザーは、2021年にMLSがソラ・ウィンリーをチーフ・ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン・オフィサーとエグゼクティブ・バイスプレジデントに任命したことが、この問題が真剣に捉えられている証拠だという。
「今まで、ここまで公平性を生むような努力がなされていなかったと思うし、その変化が表れたのはここ数年のことだと感じる“とフレイザーは言う。「ソラがDEI部門の長になったことで、それが初めて注目されるようになったと思う。常に話題には挙がっていたし、各クラブがマイノリティといわれる人を採用活動を行う際に面接することも暗黙のルールになっていたかと思う。それは長い間行われていたが、そのためのコミッティーを作ったと言うことは、それだけでは足りなかったということだ。」
まだこのような動きは始まったばかりではあるが、2020年にジョージ・フロイドが警察官によって殺害されてから少しずつアメリカでも差別について変化の兆候が見え始めたことがフレイザーを落ち着かせているようだ。
「ソラはとても賢く、リーグについて多くの時間を割いて学んできたし、その中でも非効率な部分や無駄なところを洗い出してきた」と、17年間のプロキャリアを通してMLSで最高なディフェンダーとなったジャマイカ生まれのフレイザーは言う。
「方針が定められたことやウィルフリード、エズラが採用されたことが、いい方向に進んでいるという証だろう。ウィルフリードは特に1年で成績を残して、それをみた他のチームがわざわざ違約金などの獲得資金を費やしてまで獲得したのだから、その事実が変化を物語っているだろう。」
Everything is falling into place.
— Major League Soccer (@MLS) December 7, 2022
New coach Wilfried Nancy and @ColumbusCrew are both ready for a new chapter in their history.
「我々は同じ機会を与えられたいだけだ」
ナンシーの物語いはフレイザーにとって希望になるもので、MLSクラブが採用方針を変えることで、大きなメリットになることの証明だろう。このフランス人は、ティエリ・アンリの後任を任された時点では、ケベック州以外ではあまり知られていなかった。
それでも、ナンシーはクラブの歴代ベストの順位でシーズンを終え、シギ・シュミット年間最優秀監督にノミネートされ、クルーがケイレブ・ポーターの後任としてオファーを出した。
「僕もクラブに雇われた後、最初にされる質問は、コーチ陣におけるダイバーシティの課題についてだ。それに対して言うのは、誰も職をタダでほしくないし、タダで与えるものではないと。我々はただ同じ機会を与えられたいだけなんだ。」と、またフレイザー。彼も奇妙なことに、ナンシーについて初めて知ったのは、彼自身がトロントFCでアシスタントコーチをしていたタイミングだったとのこと。
「ティエリがクラブを去った際に、クラブが少しパニックな状態になったが、無名の元アシスタントコーチはそこから花開き、評価をぐんぐん上げていった。そして、今では多くのクラブからオファーが舞い込んできている。
フレイザーにとっては、ナンシーの成り上がりぶりは今後クラブのフロントがどこに目を向けるかを変える重要な出来ごとだと信じてやまない。
“たった少しの固定概念を変えようとしているだけだ。それを変えることがでいれば、より多くの機会が我々のようなマイノリティに増える。」と、見解を述べた。「一箇所からしか監督の人材を引っ張っていないかもしれないが、この方針でより多くの監督に目を向けられるようになれば、このイニシアチブが導入された本当のありがたみがわかるだろう。」
(原文:https://www.mlssoccer.com/news/robin-fraser-sees-real-change-for-black-coaches-in-mls)