イシューからはじめよ 知的生産の「シンプルな本質」(安宅和人・著)

著者:安宅和人 あたか かずひと - 1968年富山県生。慶應義塾大学環境情報学部教授。ヤフー株式会社チーフストラテジーオフィサー。東京大学大学院生物化学専攻修士号。マッキンゼー入社。イェール大学・脳神経科学博士号(Ph.D.)

<本の概要> ビジネス、サイエンスを問わず「圧倒的な生産性をあげる人」に共通する手法の気づき。それは、「イシューからはじめる」というアプローチであり、真に「解くべき」課題=「イシュー度」の高い課題とは何か?意味のあるアウトプットとは何か?を徹底的に考える仕事のやり方といえる。本書ではその手法が詳細に解説され、知的生産性の向上を考えるビジネスパーソンにとって実践的な内容となっている。

< 本の抜粋> 

:圧倒的に生産性の高い人は、ひとつの事をやるスピートが他人よりも格段に速いわけではない。知的生産の本質は異なるところにある。

:問題解決や思考法のツール紹介は世の中にありふれている。ロジックツリー、MECE、フレームワークは強力なツールであるが、これだけでは答えを導く事は出来ない。本当のカギは”イシューとは何か?何に答えを出すべきなのか?”についてブレることなく活動することだ。

:イシュードリブン 解く前に見極める 

良いイシューの3条件は、①本質的な選択肢である、②深い仮説がある、③答えを出せる、

イシュー特定の為の情報収集の3つのコツは、①一次情報に触れる、②基本情報をスキャンする、③集め過ぎない・知り過ぎない、

イシュー特定の5つのアプローチは、①変数を削る、②視覚化する、③最終形からたどる、④So What?を繰り返す、⑤極端な事例を考える、

:常識を捨てる - 問題を解くより問題を見極める、解の質を上げるよりイシューの質を上げる、知れば知るほど知恵が涌くのでなくバカになる、1つのことを早くやるよりやることを削る、数字の桁数にこだわらず答えが出せるかに拘る

< 私の所感> 知的生産活動に関して多くを考えさせられました。最近読んだ本でウォーレン・バーガー( Warren Berger)氏の著書”Q思考”(原作は”A More Beautiful Question”)の内容を思い出しました。問題解決する方法やツールが世の中にありふれておりコモディティ化しているものの、そのツールを使いこなすだけの知恵が無ければ回答の質が上がらない事が両者の論点です。日本人だとトヨタの”5W"的に問い続ける習慣をつけることが今後の世の中を生き抜く為に不可欠であることを再認識しました。




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