アンテナを張る

私は昔から、「石橋をたたいて渡らないタイプ」と揶揄されるほど臆病者だ。だから、新しい世界に入ることがとても苦手で、億劫で、怖い。住み慣れた世界が大好きで、変化を求めない。そもそも変化することって必要?世の中は刻一刻と変化する。その激動の波にのまれながら変化することよりも、安定した変わらない世界を望む。それが私。だから、流行りにも当然疎い、というか、興味がない。

そんな私が、最近アニメにはまっている。これは、私が今まで生きてきた中で、最も意外なことかもしれない。今までアニメとは縁のない世界に住んでいたし、何より、これはかなり偏見なのだけれど、アニメ好きな子は少し苦手な、私と友達にはなれないような、そんなイメージを抱いていた。そんな私が、のめりこむようにアニメを毎日見ているのだから、人生何が起こるかわからない。

アニメにはまりだした理由はとても普通で、動画の有料サブスク会員に登録したためである。登録したからには、たくさんの作品に触れよう、と思って、周りの友人に聞き、皆が口をそろえて勧めてきた進撃の巨人を見た。これがあたりだった。あまりにも奥が深く、おもしろい。考察動画を自分で調べたり、ついには漫画にまで手を出すほど。そこから、呪術廻戦(なんと苦手な流行り物)、バナナフィッシュ、ハイキュー、東京リベンジャーズなど、短期間にしては、結構な作品数に触れている気がする。夏から始まる面白そうなアニメもチェック済み。もちろん世間一般的なアニメヲタク同様、推しキャラもできた(これについて、私はどうやらすぐ推しを作るタイプらしい。今見ているアニメ全てに推しがいる)。推しがいる生活という言葉を耳にするが、これほどまでに推しがいる生活が楽しいとは。キュウソネコカミの、「推しがいる生活」という曲を流しつつ、推し活を楽しむ毎日。楽しい。楽しいのだ。(推しについてはいずれ投稿したい、と思ったり思わなかったり)

呪術廻戦展というイベントが、今年、近隣でやることが分かったから、どうしても行きたい。けれど、抽選で、倍率もものすごいらしい。こんなになんとしても行きたいと思ったのも初めてだし、ヲタク界隈の情報取得の速さや、お金のかけ方には驚きを隠せない。しかし、これらも、私がアニメにはまっていなかったら知り得なかったことだ。今まで持ったことのない感情を前にして、私はワクワクが止まらない。

きっかけはひょんなことだったけれど、そのきっかけのおかげで、今私は人生をなんとか楽しむことができている。だから、少しでもきっかけを作る機会を増やすこと。つまり、経験はしたことに越したことがないということ。様々なことに精通している大人はかっこいいと思う。その方が様々な角度から物事を見ることができるだろうし、人を否定するようなつまらない大人にならないと思うし、何より、人生が楽しいだろう。全方位に、とは言わないけれど、普通なら自分とは縁のないような世界にアンテナを向けてみると、意外とハマったりしちゃうかも。合わなかったらやめればいいし。少しでも可能性を増やすべく、今日も私は生きようと思う。

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