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ミラミスvs運だけ ミラミス擁護の視点から


はじめに

こんにちは。デュエプレを遊んでいる「シンプルな黒いTシャツ」という者です。少し前にミラミスでADレジェタッチした時記事を書きました。

その後私の記事とは無関係にミラミスで良い結果を出したという報告も増え、環境にはさらにミラミスが多くなったようで、それにつれてミラミスへの怨嗟の声も多々聞こえる今日この頃、前回記事で書かなかったこと、書ききれなかったことを書いておこうかと思い筆をとりました。すなわち、今回の記事は前回の記事の補完にもなっています。なお、隠してもしょうがないので正直に書いておくと、筆者は9月7日頃レートを溶かしてしまっております。ままならないね(篠澤広)。それでも、ナーフの声まで上がるほど多くの人がミラミスについて色々思う中で、ミラミスについての記事があって誰かの考えの助けになればと思って記事を作りました。今回は構築解説ではないので、その点ご了承ください。なお筆者は主にADで遊んでいるので、AD環境についての記事になります。当然無料です。

↓記事の内容とは何の関係もない篠澤広

「運だけ」の意味

 さて、前回記事で、ミラミスを使う側はミラミスを運だけとは思っておらず、構築段階での工夫などいろいろ考えることは多いことを示せたと筆者は考えているのだけれど、ミラミスを運だけだという人はおそらくそんなことを言いたいのではない。彼らが言いたいことを筆者なりに想像してみると、ミラミス効果発動時の「山札を上から4枚めくる」という行為には何の作為の余地もなく、何が入っているかは偶然だけが支配していて、そこから出てきたカードに負けるのは納得がいかないということだろう(勝ったなら文句はないと思う)。なら、このような偶然性に依存していないデッキはあるのか。それを考えようと思う。

(偶然と言う言葉を使わず確率という言葉を使うと、ランダムに見えても一定の法則に従って起こるという事実を示しやすくなると思うが、あえて偶然という言葉を使う。その方が批判者の気持ちを表していると思う)

さまざまなデッキの偶然性

 具体的にデッキをあげてみる。

ベアフガン
まず1ターン目に1コストのクリーチャーを引けないとゲームが始まらない。次にベアッサーやベアフガン、またはそれらをサーチするカードを引かなければならない。ADでは1マナのクリーチャーが12枚とれるだけあって構築段階から再現性はかなり高いといえるが、それでも引けるかどうかにいわゆる「プレイング」は作用しない。ゆえにこのデッキは偶然性に依存している。

レッドゾーン
2ターン目にトップギアを置けるかどうか、黒ならメタクリーチャーを引けるか、侵略先や侵略元は引けるか、これは運要素であるといえる。

メカオー
2ターン目にデッキに4枚しか入っていないサリアを置けるかどうかで展開が大きく変わるデッキである。

サムライ
2ターン目に4枚しかないヒメギャルピア(略)

つきまとう手札事故

 やや雑に例を挙げて見たが、ここで浮き上がるのが「手札事故」という事柄である。この概念はデュエプレを、さらに言えばカードゲームをやる上で避けて通れないものだ。我々は、デュエプレを遊び始めた時点ですでに、偶然に身を任せることを引き受けているのである。それなのに、ミラミスデッキ相手に、偶然に頼ったデッキだと批判するのは妥当なことなのだろうか。このような偶然性を構築段階でいかに減らしていけるかがカードゲームの醍醐味の1つであり、それはミラミス使いが日々やっていることそのものでもあるのだ。特定のターン数までに山札の上から1枚ずつ引いて展開を左右するカード(解決札)を引いてくることと、ミラミスが当たるということは似通っていて、むしろミラミスの当たる確率の方が高いと思っているからミラミスを使うのであり、この行為自体は十分合理的である(筆者のデッキ構築は、中盤にリュウセイホールとミラミスを用意して動ける確率を上げることを意識した)。

元も子もない小まとめ

 上の話を一言でまとめると、「ミラミスが運だけっていうけど、そもそもデュエプレは運要素から逃れられない」となる。お互い運の絡むゲームをしている以上、相手にだけ運に頼って勝つなということはできないであろう。

そもそも批判される理由は何か

 偶然に頼っているという批判が的を射ていないとわざわざ指摘したあとで書くのも変なことだが、そもそも「どのカードを使うのもプレイヤーの自由」なのだから、能力が偶然性に依存しているカードを使おうと別に悪いことをしているわけではない。批判されている理由は「悪い」以外の何かである。


かわいい

 なおここでミラミスの当たりが強すぎるという批判にはスペースを割かない。それは構築段階での工夫であって、運だけという批判は当然当たらない。当たりのランダム性に注目すると、上の議論に戻る。


何か言いたそう

カードゲームに負けるとき人が考えていること

 筆者は上で『ミラミス効果発動時の「山札を4枚めくる」という行為には何の作為の余地もなく、何が入っているかは偶然だけが支配していて、そこから出てきたカードに負けるのは納得がいかない』と書いたが、偶然性の要素に批判は当たらないとすると、その核にあるのは「負けるのに納得がいかない」部分であると言える。ならば、なぜ他のデッキに負けるのはよいのにミラミスに負けるのは嫌か、に話を移したいが、そもそもどのデッキに対してであっても負けるのは嫌であるというごく当たり前の事実が横たわっている(注釈 ミラミスのランダム結果によって負けない可能性があることからくる不快については前記事で触れたので、よければご参照を)。ベアフガンに負けようがレッドゾーンに負けようがメカオーに負けようがサムライに負けようが相手が手札0の状態から逆転負けしようが、私たちは相手に「運だけかよ」と言っているのである。逆の視点から見ると、私たちは勝つ度に相手から「運だけやん」と言われているのだ。聞こえていないだけで。自分が勝ったら実力で相手が勝ったら運だけなのだから、私たちは大きな認知の歪みとともに生きているなあというお話なのだが、運だけという言葉が自分が負けたときよく発せられる言葉だということには注目に値するものがある。勝ったら運だけ呼ばわりされるこの世界でミラミスが特に運だけと言われている、その理由は何か。それは、ミラミスに多くの人が負けているということである。すなわち、ミラミスは勝つデッキであり、強いデッキなのである。では、ミラミスは強すぎるから批判されてしかるべきなのか、これを取りあげようと思う。

ミラミスの強さについて

 ミラミスの能力の強いところを書き並べてみる。

①6マナの呪文から(テンプレとされるデッキの中で)7〜11くらいまでのコストの大きなクリーチャーを高確率で出せる。カードの左上に書いてある数字を無視できるのだから、強い。

②シールドトリガーを持っている。盾を攻撃してきた相手に対してコストを払わずに上の効果を使えるのだから、強い。

6マナの呪文



 まず①の6マナが強すぎるのか、それを考える。6マナという数字は、ブーストが上手くいけば4ターン目に使えることを示す(2ターン目ライフ3ターン目ライフ、3ターン目フェアリーミラクル成功など)。となるとこの4ターン目という数字が早すぎるかどうかに話は移るのだが、筆者は早いわけではないと考える。その理由は、AD環境においては4ターン目はキルターン、すなわち殴りきられるターンだからである。べアフガンやレッドゾーンはもちろん、サムライも4ターン目にリーサルを取ることが十分にできるデッキである。さらにモルネクも、マナブーストが成功しマナに火のドラゴンが揃えば、ジャックポットエントリー(6マナ)からリーサルを組むことができる。ならば、こちらが先攻である時には、最低でも次の相手のターンでの敗北を回避する、できればこのターン中に自分の勝ちまで持っていけるような状況を作る必要があるのだ。ビートデッキ以外で、それを可能にするカードがミラミスなのである。先4ニコルボーラスが許されるのは、それをしないと負ける状況が多くあるからであり、敗北回避の為に当然必要な行動とさえ言えるのである。

シールドトリガー

 ②シールドトリガーである点についてはどうか。①で書いたこととも関連するが、最近のデュエプレ環境はインフレが進み、攻めるデッキが強くなっているのである。4ターン目までに6マナ(レッドゾーン)や8マナ(べアフガン、紫電武者)のカードが普通の顔して殴ってくるからには、シールドで受ける側もそれ相応のマナコストを持ったカードを使わなければ受け切ることが出来ないのである。そこで必要になるのがミラミスのシールドトリガーなのである。逆にいうと、ミラミスのシールドトリガーがなければ、こんな高コストをたくさん入れたデッキは勝ち残るのが難しくなっている。すなわち、シールドトリガーを持っていることがミラミスデッキを成り立たせている理由であると言うことができる。スパークでただ耐えるだけでは、逆転することは出来ないのである。

まとめ

 以上見た通り、ミラミスというカードは、ビッグマナ系のデッキが環境に存在するために必要な強さを備えたカードであり、他のデッキを圧倒して敵なしの強さというよりもビートデッキの強さに対抗するために存在している、言ってみれば受動的な強さのカードなのである。

 筆者のミラミスの強さに対する見解をまとめておくと、強いカードではあるが環境のバランス内部に収まる程度であり、ナーフには及ばないというものである。もしナーフが必要となれば、AD環境の速度全体を見直す抜本的なものとなり、他の多くのカードを巻き込むと考える。

使う側から見たミラミス

 ミラミス批判とそれをめぐる諸々はこの辺で終わり、実際に使う側から見たミラミスについて、筆者がレートを溶かした理由など含めて書いておこうと思う。負けたのは悔しいが、読者には誠実であるのが筆者の義務だ。

 実際にミラミスデッキを使うとわかることは、なんだかんだ色事故が多発するということだ。3ターン目のフェアリーミラクルは別に決まらない。何ならブースト札すら引けない、大型を引きすぎる、多色カードが多すぎる、など。ミラミス運だけの前にミラミス以前の運だけに敗北しがちである。そしていざミラミスが打てるとなっても、ここで打って良いものかという逡巡が常にある。良いカードが出ない、外れたらどうするかという懸念が離れない。構築の工夫である程度乗り越えられると自分で書き、その上で自分から運に身を任せておいて身勝手ではあるが、ミラミスは本当にままならないカードである。

負けてしまった筆者


 さて筆者がレートを溶かした理由は何か。筆者が下手だということとか運で負けたというようなことはどうしようもないので割愛するが、環境については言うことができる。まず、増えたミラーがかなり不毛である点。当然の先攻有利であり、レートを伸ばすのに適さない。また、速攻系(べアフガン、レッドゾーン)の減少がありそうである。ミラミスに対してサムライほど安全にリーサルを取れず、ミラミスからカウンターされると厳しいことから数を減らしていると考える。これら有利対面の減少は筆者がレートを溶かす理由として十分である。最後に言い訳をすると、筆者はその日酒を飲んで調子に乗って、もっとレート伸ばせるだろと思って雑にランクマをした。本当に愚かである。

 筆者のレジェタッチは某氏が提唱した「刹那の蝋燭」という事象の経験だったのだろうか。回数を重ねるうちに、連勝するタイミングに巡り合う。もしそうだとすると、実力とは何なのか。最高レートという概念の本質はなにか。デッキリスト紹介の時につく「レート◯◯到達!」という煽り文の数字はどういう意味があるのか。筆者には分からないことばかりだ。

おまけ

ここからは完全なおまけとして、筆者が強そうだなと思っていながらも資産の都合で使っていないリストを載せておこうと思う。それがこれ。


カード資産無限にほしい


豊潤フォージュンのアイディアは最近リストを公開された方から借用した。筆者もそれに気付きたかった……。

このミラミスのリストは見ての通り純ドラゴン軸。ニューゲイズを取らない理由の極点。未所持枠を誤魔化して埋めて使ったところドラゴ大王とモーツァルトが並ぶと結構なデッキが詰むと言うことに気づき、想像で仮組みしたデッキ。ニコルボーラスも2枚くらいとっていいんじゃない?とか盾追加がないのはよくないんじゃない?とか色々考えるのがミラミスの面白いところである。ぜひ読者の方もミラミスで楽しんで遊んでほしい。それでは。


ここまでお読みいただきありがとうございました。ご意見ご感想などお待ちしております。


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