若年性アルツハイマー型認知症の母と ギャンブル依存症の父を持った 私の生き方
プロローグ
窓から差し込む光に目を開けると、まどろみの中、部屋を出る。
母の部屋に行くと、すでに起きているようだ。
「おはよう」と声を掛けて、ゆっくり体を起こす。
にっこりとほほ笑む様子を見ると、どうやら今日もご機嫌のようだ。
両腕に体重を預けてもらい、ゆっくりと車椅子へ移動してもらう。
朝は母の足元がおぼつかないので、車椅子を使って移動する。
介護者も頑張りすぎず、安全に。
これは、介護士の資格を持つ私が身をもって感じている大切なことのひとつだ。
岩木あさ