なんてことない レビュー - 紅い牙シリーズ(42才の感想)
私は昨日、『紅い牙 ブルーソネット』全話をイッキ読みしました。42才の私に、ティーンエイジャーのサイキックバトルの漫画を読めるか 自信はなかったけれど7才の頃に一度読んでいるので杞憂でした。
むしろあの頃分からなかった描写や登場人物の深層心理を知ることが出来たし、モブキャラすら魅力的で接線が初っ端からバシバシ張り巡らされていて緻密に作り込まれた話であることが分かりました。
なんて贅沢で面白い話だったんだろう!
1975年から1986年に遺伝子操作にサイボーグ改造、人体実験、マインドコントロール、クローン実験、卵細胞移植、BC兵器に意志を宿す殺戮兵器ロボットがドカドカ出てきて しっかり説明されています。
トラウマシーンも盛り沢山で初見時 7才の頃の私、しばらくマクドのハンバーガーが食べれなかったな。ずっとフィレオフィッシュ食べてた 🥲
特に ○○ の ✕✕ で埋め尽くされたダストシュートの壮絶さたるや!ソネットの悲惨で残酷なローティーン時代といい、安曇ヴィラでの大乱交パーティといい、
連載先 少女漫画誌(別マ 〜 花とゆめ)だかんね !?
それはともかく、42才 一児のオカンとなった今 新たな感情というか感動的で泣いてしまったのがクライマックスでのメレケス博士とソネットの別離です。
若かりし頃 手酷い裏切りに遭ったため人間不信に陥り心を閉ざしサイボーグの研究に没頭していたメレケス博士。自身の最高傑作 ソネットが父のように慕い、いつしかメレケス博士もソネットを娘のように大切に思っていました。
最初 あんなに憎たらしかったメレケス博士や荒んだ生活ゆえ冷たい眼差しをしていたソネットが、別れの間際 涙ながらにお互い感謝を述べている一方 目の前で大切な人々を一瞬で失った主人公ラン。
7才のときも 42才の今も同じ気持ちです、
あんまりやわ 🤬
その後、怒涛の如くランに試練が襲ってくるんですよね。7才の私はランが可哀想ですごくイヤな最終話でした。今ももうちょっとどうにかならなかったのだろうかという気持ちはありますが、大人目線で深読みするなら 作者の柴田先生が どんなに残酷な運命でも芯の強いランなら乗り越えられる 立ち上がってくれる という信頼と愛情で描かれている気がする。確かにランは強いから、でも野暮を承知で言いたい、
それでも あんまりやわ 🥺
そこは変わらないです、どんなに苦しくても涙を流しても戦い続けたランには幸せなハッピーエンドを用意してほしかった。奈留だけはランの側で笑っていてほしかったな、バードは諦めたけど。ありきたりでもいい、ハッピーエンドがよかった。
7才の頃の私はバードがすごく嫌だった、あんなにランを好きやったのに何でソネットの方に行ったん?ソニィって何やねん、と憤っていました。若いな、幼いな。
42にもなると彼に対する見方がガラッと変わりました。ランのことは愛してはいるけど、サイボーグに生まれ変わり 自我を取り戻した時点で恋愛を諦めてたのが初期の段階からしっかりと描かれていました。
ソネットに対しては同じサイボーグとして生まれ変わった者同士の縁と戦わなければならない数奇な運命、自分を恋い慕うソネットを受け入れることはできないけれど突き放すこともできない。
バードは生存時から血の繋がらないワタルを実の弟のように可愛がり過ちは叱る生来の兄貴肌、だから危なっかしい妹のようなソネットをどうしても放っておけない。子供の頃はソネットの方が同じサイボーグで美少女やから心変わりしたんや!と彼を見損なったけど、それは誤りで彼は兄貴目線で危なっかしい妹に寄り添った… よって悲しいけれど温かなあのラストを迎えたのだと思います。今で言うメリーバッドエンドかな。バード、いいヤツだよ。
もし『紅い牙』シリーズを全巻読んでみっか とお思いの方がいらっしゃたらぜひ 『愛蔵完全版 紅い牙』(SMART COMICS)をお勧めします。
最終回がより加筆されていて、ソネットの満ち足りた子供のような幸せな笑顔が描き足されているから。
自分たちの仕事に命を懸け、誇り高い格好いいおじさんたちが作中に結構出てきます。みんなモブだけど 🤣
もちろん ランやソネット、大体のキャラクターが好きですよ。
(あんまりランとソネットを取り上げてないけども 🤯 )
嫌いなんはサグとヤツメウナギの菱川、佳央(よしお、というかビュスケ 幼年体)、TARON要人の助平爺軍団かな。