2020年中国ライブコマースプラットフォームまとめ
ライブ配信サービスは2017年で既に中国では1000社以上と数えきれないほどの会社がシェアを奪いあっているが、それぞれプラットフォーム毎に特徴が違い、抱えているユーザー層も異なっているようだ。
今回は代表的なプラットフォームを紹介していきたい。
■ライブ配信プラットフォームのタイプ
そもそもライブ配信サービスのプラットフォームは大きく2つに分かれる
・インフルエンサー型(KOL)
日本で言う17LIVE(イチナナライブ)やSHOWROOM(ショールーム)のようにライブ配信をしてファンから投げ銭で稼ぐスタイル。ここで自分の商品を売ったり広告主から依頼された商品を紹介して売ったりする。
※誰でも始めやすいがファンを付けるまでが大変
中国で代表的なインフルエンサー型のプラットフォームといえば抖音(TikTok)、快手が人気となっている
ゲーム配信等のライブ配信系のプラットフォームも挙げると、斗魚、虎牙、一直播、西瓜視頻、bilibiliなど多数あるが、その他にも口コミ系ライブ配信プラットフォームの小紅書など差別化したものもある
・ECモール店舗型
楽天やamazonのような店舗を持っている所がインフルエンサーに依頼してライブ配信を行い自社商品を紹介して売る。
※後発でも参入しやすいが依頼するのに費用がかかる
代表的なEC店舗型のライブコマースプラットフォームは淘宝直播(タオバオ)、京東直播(京東)、拼多多(テンセント出資)
■ライブコマース業界地図・流れ
ライブコマースで商品を販売する際の一般的な流れ
①広告主から広告代理店やコンテンツ制作会社へ依頼
電通のような広告代理店 or PUGC,PGCと呼ばれるプロフェッショナルのコンテンツ制作会社へ依頼する
②企画を持ってマーケティング会社やMCNに依頼
マーケティング会社、またはKOLをかかえるMCN会社に依頼
③動画プラットフォームにコンテンツを投稿
KOLを使った短編動画のプラットフォームに投稿して集客
④SNSまたはライブコマースでユーザーへ届く
SNSでの集客・フォロワー獲得、またはタオバオ等のショッピングサイトへ誘導して商品購入に結び付ける
その中で撮影機材関連の会社、クラウド等の技術回りの会社、データ分析の会社、またKOLの化粧関連などライブコマースに付随するビジネスも生まれている
■代表的なプラットフォーム
・淘宝直播(タオバオ)
中国でのライブコマース市場のシェアナンバーワン
ユーザーは5億人(2019年)ライブ配信ユーザーは2万人(2019年)
商品数も多く王道ではあるが質が悪いものも多い。
・京東直播(京東)
タオバオに次ぐ中国でもTop3に入るライブコマースプラットフォーム。
ユーザー数は3.62億人(2019年)
タオバオがトップではあるが追従する形で何とか食らいついている
・拼多多(ピンドゥドゥ)
タオバオに次ぐ中国でもTop3に入るライブコマースプラットフォーム。
年間アクティブユーザー数は6.28億人(2019年)
生活用品を安く買うことができる場所のようなイメージ
低価格という事もあり商品の質が悪くトラブルが多いというニュースもあった
・抖音(TikTok)
日本でも若い人たちに人気の短編動画サービスTikTok
中国版はまた違うアプリとなっており仕様が異なる
中国国内だけの月間アクティブユーザー数は5億人(2019年)
人気TOPのKOLも集客やプロモーションを行う場所として、ここを利用していることが多い。短編動画配信サービスの市場としてはトップシェアを誇る
・快手(クァイショウ)
こちらも中国を代表する短編動画サービスでおもしろ動画が多い印象
先程紹介した京東と2020年6月に提携しTikTokへ追いつこうと必死
登録ユーザー数は7億人(2019年)
中流階級の人が多く集まっている印象
・花椒(ホアジャオ)
女性配信者が多く年齢層も低め、特にKOLというよりはこれから有名になりたい一般人の投稿が目立つ。17ライブに近いかも?
近くにいる子を探してライブ配信に参加できる
アクティブユーザー数は2676万人(2019年)
■まとめ
代表的なライブコマースプラットフォームを紹介したが、広告主やKOLも商品の特徴などによってプラットフォームを使い分けているようだ。
ライブコマースをいかに効果的に効率よく発信をしていくかが鍵となる。
中国国内には写真のように複数台のスマホで同時にリアルタイムで色んなプラットフォームでライブ配信をしているこんな強者までいる。
どのプラットフォームも中国の電話番号認証が必要だったりで、日本からのサービス登録は一般的には難しいと思われるが、アカウント作成代行サービス等、裏のやり方はあるようだ。
詳細はまた別記事で紹介していきたい。