自分の人生を生きるということ
人間が一生の間に打つ心拍数は「23億回」だそうです。Webなどでも色々なことを回数で考えてみるなんて記事をたまに見かけます。自分でもオリンピックやサッカーW杯が開催された時に、あと何回オリンピックが見られるかなといったような、意味のあるようで無い計算をしたりします。そういった経験がある人は多いのではないでしょうか。とにかく、限られた時間の中での行為を数字に落として考えてみるということは、心拍数という途方もない数から意外とそんなに見ることができないんじゃ無いかと思ってしまう定期開催のスポーツイベントまで、物事には必ず限りがあるということを改めて実感させてくれます
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全ての行動に対して、決められた数があるのだとすれば、自分は人生で見るテレビの視聴時間という数がもう既に終了したのかもしれないです。物心ついた幼少期からテレビに育ててもらったというほど、目が覚めてから寝る直前までテレビを視聴していました。特に1990年代から2000年代後半まで放送されていたテレビドラマはほぼ全て見たと言っても過言では無いです。その当時は学生だったので、夕方ごろから再放送をしていた過去のドラマなども何度も見たりしていたので、一時はドラマを見るための時間が24時間では足りないと思ってしまうほどでしたが、それも時代が移り変わるにつれ、他局との視聴率競争のため、どの局のドラマの構成や展開なども決まりきってきてしまい、仕舞いにはドラマの途中から最後の方のオチがなんとなく分かってしまい、だんだんと飽きてきてしまい、2010年代ごろになるとドラマに関しては結局見るのを止めてしまいました。今ではテレビすら家には無いのですが。
でも人生でここまで続けてこられたことはあまり無いので、その当時自分がどんな気持ちでテレビドラマを見ていたのかということを客観的に振り返ってみると、ドラマの一話を見終わったその瞬間から、主人公として完全にドラマのストーリーを自分ごととして考え、次の放送がある1週間を過ごしていました。
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ドラマの展開などが読めてきてしまったということもあるのですが、それと同時に大学生だったということもあり「一人旅」というのにハマったことも見るのを止めてしまった要因の一つになっていると思います。今まで家族や友人たちと過ごしていた日々に少しだけ別れを告げ、全く知り合いのいない土地で過ごしてみるという経験は短期間でしたが自分に大きな変化を生み出しました。旅先でどんなことに出会うのかというワクワクやそれと同時に恐怖や不安な気持ちも沸き起こっていたことでしょう。けれど、そういった実体のある感情の変化が「一人旅」には付き物で、自分がドラマの主人公に感情移入どころか成り切っていたかのごとく、自分の人生に自分がようやく共感し、やっとこさスタート地点に立てたような気分になったのです。そうした時にテレビドラマの主人公の人生よりもスリリングで自分次第で筋書きを何度でも変えることができる自分の人生の方が面白いやと感じ取り、改めてドラマを見続けるという生活に終止符を打つことができました。
さて、自由な「旅」や移動が制限されている昨今、また“他人”の人生を生きてしまっているのでは?と感じてしまいそうなのですが、いつ何時であっても、自分と向き合い、自分の人生を歩いていきたいものですね。
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