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暮らしの目利き、Mathiasという男 - Lund編 -

あなたはどういう視点で暮らしを営んでいますか?
こんな質問が飛んできたら、「ウッ」という感じで言葉に詰まり、困惑してしまう人が多いのではないでしょうか。

そもそも自分が何か好きだったか、なんてことも、忙しい毎日の中だと忘れてしまいがちです。

さて今回は、1990年代にポップなクラブミュージックで世界を席巻したThe Cardigansのファッションデザイナー兼スタイリストとして活躍したスウェーデンのMathiasにフォーカスを当てていきたいと思います。
ファッションデザイナー兼スタイリストを終えたあと、彼は、デザイナーのアシスタント(デザイナーとギャラリーや美術館とを繋ぐ仕事)を行なう傍、趣味の骨董品集めとその「視点」で自分の暮らしを営んでいます。
彼が日常で大事にしている「視点」はなんなのか、考えていきたいと思います。

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デンマークの首都コペンハーゲンから電車で40分ほどのところにあるスウェーデンの小都市ルンド。中心部にスウェーデンでも有名な大学のルンド大学があり、そこを中心とした学園都市といったところだ。駅前の広場では毎日アンティークマーケットが開かれていて周辺にはセンスのいい小さなお店が集まる。このマガジンのタイトルでもあるa quiet dayな等身大の日常がそこにはあった。

「じゃあルンド駅に8時半に待ち合わせで。」ルンドに住むMathiasと前日にそう約束していたので、隣町のスウェーデン第三の都市マルメのホテルをルンドに向け、朝早くに出発した。

ちょうどこの時期のマルメではフェスティバルの真っ只中で、街は毎日夜遅くまでお祭り騒ぎ。

少し喧騒から離れたい気持ちもあり、電車で20分ほどの距離だけれど、かなり早めにホテルを出ることにした。

ルンドに到着してみると少しコペンハーゲンから近いマルメと比べ、物静かで落ち着いた印象を受けた。高緯度に位置する北欧のスウェーデンだけあって、街にふりそそぐ、やや斜めの朝日も相まってそう感じたのかもしれない。

待ち合わせをしていたMathiasと落ちあい、早速ルンドの街にあるアンティークマーケットやショップに連れて行ってもらった。彼は、デザイナーのアシスタントをしつつ、アートやデザインを勉強し、かなりの骨董やヴィンテージ好きで色々なモノを収集しているとのこと。

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