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「UNTOUCHED──お金(の未来)を手さぐる」とは:トークについて

展示イベント「UNTOUCHED──お金(の未来)を手さぐる」の開催がいよいよ今週末に迫る中、前回の前編ではイベントに至った経緯とコンセプト、展示に参加してくれるアーティストについて説明しました。

今回の後編では、展示と対をなしているトークについて解説していきたいと思います。

トークのコンセプト

トークは、二日間のプログラムが組まれています(レセプション除く)。
作品展示と比べると、こちらはもう少し現実に即した「お金」について考えるものになっています。

プレスリリースにも記載した、トークの背景を引用してみます。

社会の理想を掲げ、その実現に邁進する起業家。真にインディペンデントなあり方で制作に向き合おうとするアーティスト。これまでのルールを塗り替え、新しいビジョンを掲げるためには、否が応でも「お金」と向き合わなければいけない局面が出てくる。
制作と運営、文化と経済、社会性とビジネス。これまで切り離されてきたもの同士をつないでいく挑戦は、新しい世代のリアリティのひとつだろう。そこで語られるのは、社会の変化のほんの小さな兆しかもしれない。しかし、いずれもこの場でしか明かされない、現場で格闘する生の声だ。最前線でもがくプレーヤーたちの声が響き渡り、社会に波及することを願いながら、わたしたちを取り巻く“お金のリアリティ”を考える。

ビジネスやカルチャーの最前線で活躍する方々に、「お金」に関するリアリティのあるトークをしていただきつつ、そこから「これからのお金」についての問題意識を拾っていければと思っています。

今回のトークの企画は「WIRED」編集者の岡田弘太郎くんRhetoricaの瀬下翔太にメインで動いてもらいました。その甲斐もあってか、他のビジネスカンファレンスやセミナーではなかなか見ることのできない並びが実現できたのではないかと自負しています。

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編集者の岡田弘太郎くん

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Rhetorica/NPO法人bootopiaの瀬下翔太

以下、トークの概要です。まずは初日から。

トーク1日目(12/14)

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初日のスタートを飾ってくれるのは、今回展示にも参加してくれているスペキュラティブ・ファッションデザイナー・川崎くんと、「OTON GLASS」を手がける起業家・島影くんによる「NEW INDEPENDENTS」シリーズの出張版です。

「NEW INDEPENDENTS」は毎月ゲストを大田区のインキュベーションスペースに呼び、「主体性」をテーマに議論を繰り広げる連続レクチャーシリーズ。今回はその出張版ということで、『AWRD』編集長を務める金森香さんをお呼びして、「メディア/編集/アートは『お金』といかに関わるか」というテーマについてお話してもらう予定です。

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続いては「Design Scramble」オーガナイザーの後藤あゆみさんに企画から入っていただいたセッション「作り続ける生き方をつくる」です。hey社のCoineyやSTORES.jpも、作り続ける生き方を支えるサービスの一つだと思います。しかし自分のこれまでの経験から考えても、作る活動を「続ける」ことができるかどうかは、個々人のプレイヤーの能力にかなり依存するような気がします。会社を立ち上げたばかりの自分としても、非常に気になるトークです。

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初日を締めくくるのは、アーティスト支援アプリ「ArtSticker」を今年ローンチした「Soup Stock Tokyo」創業者の遠山正道さん、そしてアート流通・評価のインフラとなる「Art Blockchain Network」の構築を進めるインターネット、ブロックチェーンをテーマに活動する美術家・施井泰平さんの対談です。モデレーターは、同世代で最も活躍している編集者の一人、「飛ぶ教室」の矢代真也さんです。マイクロパトロネージュとブロックチェーンという、それぞれまったく異なる方法でのアート支援を目指すお二方の相違点と共通点。そこにはアートと「お金」の新しい関係性を考えるカギが眠っているように思えます。

トーク2日目(12/15)

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2日目最初のセッションでは今回の展示に参加してくれているアーティストの方々をお呼びしてギャラリートークを行います。他では横に並ぶことはまずないであろう作家さん達が一堂に会するので、展示を見に来てくださる方には、ぜひこの機会にセッションに参加して欲しいです!

とくに今回のプロジェクト全体は、全体のテーマが「お金に関するリサーチ」になっています。アーティストがこのお題にいかに応答したのか。その制作過程はどのようなものだったのか。それをトークで確認し合うことで、テーマへの理解もさらに深まるはずです。

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2日目の2セッション目は、タイトルからもわかる通り、ラフな形式のトークになります。Rhetoricaでもよく行っているプレゼンスタイルです。

飛ぶ鳥も落とす勢いで活躍中の陳暁夏代さん安居昭博さん、そしてRhetoricaから松本友也が参戦。それぞれの専門の分野から、注目すべきサービスやプロダクトを持ち寄ってもらいます。普通のビジネス系カンファレンスとは一味違ったケーススタディが楽しめるはずです!

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会期の最後を締めくくるのは、今回この企画に個人出資をしていただいているheyの佐藤さんと、上場のニュースも記憶に新しいツクルバの共同創業者である中村さんのトークです。

文化的な活動やクリエイターを支えるサービスを手がけるお二方が「文化とお金の関係」について持論をぶつけ合うとどうなるか。今回のイベントを締めくくるのにふさわしいお話が聞けそうです。モデレーターは編集者であり「inquire Inc.」のCEOでもあるモリジュンヤさんを予定しています。

まとめ

以上が今回のイベントについて、事前に説明、解説できることの全てです。

今回初めての試みということもあり、至らないところも多いですが、ぜひチケットを買って当日来て頂けると嬉しいです。(僕に直接声をかけてくれれば色々なものが安くなったりするかもしれません...!)

ここまでの話にひとつだけ付け加えるなら、今回のイベントは、僕ら企画側にとっても「お金」に関する新たな文脈や言葉と出会うプロセスになっているということです。上記で使われている「リサーチ」という言葉はそのようなニュアンスを含んでいます。

今回のイベントは僕が立ち上げたCANTEENというビジネスドメインが今後も行なっていきたいプロジェクトを企画/運営し出資してくれるクライアントを、実際に制作や人の前に立つアーティストと並列に扱うことを準備段階ではある程度実践できたと考えており、僕の身の回りの人にはぜひ足を運んで、「お金」というテーマそのものに関してもそうですし、メタ視点から東京のクリエティブ産業やカルチャーについても考えて欲しいと思います。

アートやデザイン、広くはカルチャーはもっともっと社会や僕らの生活にとって有意義なものであると考えているし、その一つの足がかりとして今回の企画があります。

お時間のある方はぜひ足を運んで頂ければと思います。



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