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「年末」も捨てたもんじゃない

昨日は、仕事納め。
あるクライアントを訪ね、帳票の確認を。
該当月、前月、前年同月の資料を見比べながら「違和感」にアンテナを張る。アハ体験?「違和感」の発見が心地よいと実は感じている。クライアントにも自身にもWin−Winの仕事と言えるかもしれない。

作業も慣れてきたところで、資料に視線を落としながら、担当者に確認。
「特に変わったことないですか?」
カルテに視線を落としながら話しかける医者か!?恥を知れ、恥を!

「そういえば…」と担当者。「年末の仕事は例年なら遅くまでドタバタするんですが、今年は皆、遅くまで残らずに帰ることができるんですよね。といって、大きく売上が落ちているわけでもないのに…」とのこと。

「なんでしょうね…うーん…」。相変わらず視線を変えずに、私は返す。恥をs(略)…。
確かに、この一年、生え抜きの社員を執行役員に登用したり、なかった経営会議を定期開催したり、幹部候補に研修を受けさせたり、と、経営層も色々とチャレンジをされてきた会社である。
残業対策も毎回の経営会議にて出てくる話題。とはいえ、別にそれは日頃の残業であり、特に年末のそれを意識していたわけではない。
まあ、色々と細かく分析すれば何か見えてくるのだろうが、何を言ったところで、それはあくまで仮説にしか過ぎない。ということで、思考もそこそこに、また照合作業に戻る。おい!

「ん?」
しばらく、目で数字を追い、手で書き出しているうちにあることに気づいた。それは、個数とか%の話ではなく、帳票のフォーマットの件。1年前は片面コピーだったのに、今年は両面になっている。先月もだ。この1年のどこかで、ルールを変えたのだろう?
「コピーって、誰がされています?片面が両面になったのですね?」と尋ねる。
「あぁ、それは私の方で…。紙の書類が多くなったので…」と担当者。
「それは、いいことですね…」
ん?待てよ。

そうか!

「結局、そういうことじゃないですかね?」
月々、日々で見ると僅かな変化。もしかしたら、今回の気付きは、帳票の突き合わせが該当月と前月だけであれば気づかなかったかもしれない。ここに前年の帳票を引っ張ってきたから気づいたことだ。
今回の残業も、昨年の年末との比較で捉えると大きな変化に感じるが、それはミクロレベルの日々の変化の積み重ねなのかもしれない。茹でガエル現象は、組織にとって悪い意味で使用されるが、その逆である。ソフトに、ある意味ステルス的に改革が浸透していっている。大きな抵抗を受けることもなく…。
その根っこにあるのが、経営層の覚悟、危機意識、本気度なのではないだろうか。

さて、本気出すか!

確かに、朝礼や1on1 MTGによる伝達、ルール化、制度化と具体的に何かを始めるための見えるアクションは必要である。ただ、もしかしたら、そこに至らずとも、経営層の「なにか、今までと違う」「何かを変えようとしている」という空気は、口に出さずとも、伝わるのかもしれない。


今年の年末年始も単身赴任先の金沢で過ごす。
正直、正月とか、誕生日とかあまり重きを置かない派なのである。
別に自宅の春日部に帰るなら、混んでるときに帰らなくてもいいと思っている。気持ちの問題だ。帰るなら日にちをずらし、無理矢理でも、正月気分で戻ればいいだけだ。普段利用しているスーパーが正月三が日が休みなのはなんとかして欲しいが。

でも、上記のようなことに気づくきっかけになるなら、年末年始というイベントも悪くはないのかな、と思った今年の大晦日である。

皆さん、良いお年を!

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