腐らせていいのは納豆くらいだ
今回は、仕事と友だちになるための具体的な行動に関して。
仕事を友だちとするには、仕事をすることを「快」、そこまでいかなくとも「不快ではない」という環境づくりが必要。そして、その環境は与えられるのではなく、自らの行動によって引き寄せるものである、というのが前回の記事。
じゃあ、その行動って、どういう行動?っていうと、考課を行う人(主に上司)から評価され、信用を得る、ということだ。それは、怒られない、ってことでもある。
タイトルの「腐らせていいのは納豆くらいだ」というのは、よく部下に対して言っていたセリフ。この理論は、私は勝手に仕事における「質量保存の法則」と名付けているのだが、これに関して説明したい。
どういった業種であれ、職種であれ、日々「やることリスト」でいっぱいかと思う。約束ごとも社内のものもあれば、社外のものもある。急ぎもあれば、手が空いたときに、というのもある。
これらのリストに関して、トラブルが生じるときは毎回決まっている。納期が決まってるタスク、もしくは急ぎのタスクが、納期に間に合っていなかったり、漏れていて着手されていないケースだ。想像しただけでも、いやーな汗がでてくるあのケースである。
「やるべきことができていない」と言ってしまえば、それまでだが、その原因に関しては、状況によって多種多様であり、それに対する処方箋も然りである。
・そもそも、メモがされていなかった。それも、メモするに値する情報という認識がないケースと、認識はしているけどメモをするということが癖になっていないケース。
・メモはしたが、それが管理できてないケース。どう管理していいのか理解していないケースや、管理の仕方は知ってるがケアレスミスで漏れていたケース。
・メモもしてあるし、管理もできているし、やらなきゃいけないのはわかってるけど、実行に移せていないケース。移せていないのは、時間がない?条件が揃っていない?テンションの問題?
各問題に対する処方箋は、個別に検証していくとして、先ず大前提として受け入れなければいけないことがある。それは、やるべきタスクは、この世から消えてなくならない、ということだ。
「質量保存の法則」とは、Wikipediaより。
「化学反応の前と後で物質の総質量は変化しない」とする化学の法則である。
例えば炭酸水素ナトリウムと塩酸それぞれを台ばかりで重量を測る。これらを混ぜ合わせると、塩化ナトリウム、水、二酸化酸素ができる。その3つの物質の重量は、反応前の2つの物質の重量と総重量は変わらない、というものだ。
納豆や他の発酵食品のように、むしろ時間をかけた方がいい、かけなければいけないタスクであれば、放置しておいていいだろう。もしくは、放置しておいたら、どんどん蒸発していき、いずれ消滅してしまうなら、それも手だろう。
だが、実際には逆で、タスク完了報告は、えてして早ければ早いほど、「良し」とされる。また、タスクは消えてしまうこともない(多少、状況に応じて重量は変わるかもしれないが)。ただ、黙ってそこに存在しているのである(もしかしたら、上司がルーズだと、消滅するケースもあるかと思うが、そういう組織は、早いところ飛び出したほうがいい)。
タスクにかける時間、例えば1時間は、今やっても1時間、1週間後にやっても1時間。でも、アウトプットに対する価値は、前者が高い。これがタスク処理を取り巻く一般的な法則である。
あらためて、この前提を受け入れるところからスタートしよう。
タスクはなくならない。どこかでやらなければいけない。逃げ切れるわけではない。だったら、腹をくくって、手前手前で対峙しよう。
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