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導線上にアラートを差し込む

以前、新幹線で春日部の自宅に帰ったことがあった。車で金沢駅へ。駅前の駐車場で車を停めて改札へ向かおうと車を降りたときに気づいた。

「財布がない」

幸い、新幹線の改札も、大宮についてからの電車の移動もiPhoneなり、Apple Watchで凌ぐことができた。さすがに自宅までのタクシーは不安だったので、真夜中に歩いて帰ったけど(日帰りだったので、スーツケースじゃなくてよかった)。

じゃあ、これが車の鍵だったらどうなるか?

当たり前だが、アパートを出て車で向かえないので、ここで気づく。

じゃあ、財布の話に戻るけど、これが駅までの移動が車じゃなくてバスだったら。

ICaというICカード乗車券を利用するから、これもバスに乗る前で気付く。

つまり、最後の最後で「忘れた」ことに気付くのは、忘れたものが「必要になったとき」だ。この状態が手前にくればくるほど、忘れたという事実に気付き、対応することが可能となる。

財布があればいい、ってことでもない

これを日常生活で利用するなら、忘れやすい月一回の検便(クライアントの都合上必要)用のキットはトイレのドアのところに置いておけばいいし(単身赴任なもので)、AppleMusicも常時Bluetoothを経由してカーナビで自動再生されるから、車を走らせて音楽がかからないと「iPhone忘れた!」と気付くことになる。

仕事なら、誰かへの短いメッセージはその人のタイムカードに付箋を貼っておけばいいし、経理的な案内なら営業同士を介さなくても、請求書に同封しておけばいい。

行動の導線上にアラートを差し込むこと。

これが的確にできることでミスは減るし、何よりもストレスも減るのである。


先週タイヤ交換を終え、車で春日部から戻ってきたときのことであった。
確か、小布施のパーキングエリアでトイレ休憩。

扉を締める。

ロックを回転させると、メッセージが。

指示に従い財布を置いてみる。

はい、これで帰りに財布や携帯電話を忘れていく、ってことはなくなるんですね。
スゴイっ!

扉を締めないで用を済ませる人はいないし、鍵をかけない人もいない(普通)、用を済ませたら鍵を開けないと外に出られないし、そのためには一旦財布や携帯電話をしまわないといけない。

パーキングエリアって、まさに利用者にトイレを気持ちよく済ませてもらう(最中も事後も)ことが機能だから、そこに対して不具合を徹底的に排除すべく知恵を働かせるんだね。

色んな意味でスッキリする体験だった。





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