顧客が本当に必要なもの【企画職に思うこと】
企画っぽい案件・仕事に触れていると、いつも『顧客が本当に必要だったものゲーム』を思い出します。
システム開発の迷走を風刺した絵を元にしたゲームで、プレイヤーはいちエンジニアとして顧客の要望「だけ」に忠実に開発(カードを配置)していきます。
顧客の要望が「椅子が欲しい」であれば、まわりがどうなっていようと椅子さえ用意されていればクリアですし、「同じ色を3枚縦に並べろ」であれば、システムが繋がっていような繋がっていまいが、同じプレイヤーが縦にカードを3枚配置できればクリアになります。
ポイントの単位は「YTK=やった感」で、いかに完成度の高い成果物を納品するかではなく、各エンジニアが仕事をやったような感じを出せるかという、皮肉の効いたゲームです。
さて、システム開発に限らず、企画職でもこのようなことは日常茶飯事です。
顧客から「◯◯を何とかしたい」という要望があったとして、その要望が具体的なことはなかなかありません。
格好良くしたいのか可愛くしたいのか、手堅くいきたいのか新たな取り組みをしたいのか、認知させたいのか売上を立てたいのか……。
予算が決まっていないというわりには「安くしてください」とか、実装日は決まっていないのに「納期は急いでください」とか、変なところばかり条件をつけてくる。
まあ、でも、世の中そんなものよな……。
それを何とかするのもひとつの仕事です。
ここで大切なのは、言われたことだけをやると事故や失敗の元となるので、「顧客の要求をしっかりと汲み取った要件定義が大切」ということです。
顧客の要望を5W2Hに則って具体的に示せないことには、計画立案すら着手できないです。
これは仕事を依頼する側と受ける側の上下的な関係があったとしても、案件としては一緒にやっていくものですので、双方の認識を合わせないことには意味がありません。
お互い違う動物園で違う環境ですから、注意する点も優先順位も違うはずです。
そこはお互いプロフェッショナルとして、足並みを揃えたいですね。
以上、理想論でした。
この記事を書きながら、むかしの動物園を思い出しました。
まさに園内のシステム開発を外注したときの話です。
運用も開発も詳しくない動物が窓口にさせられ、2年近くの歳月が掛かり、諸々含めて茨城県だったら城が建つくらいの金額が投資されたにも関わらず、仕上がったものは現場のほぼ全員から不満が出る代物だったときがあります。
あのときの自分はプロジェクトに関われなかったのですが、せめて要望とか要件がまとまっている、キックオフに関わる書類は見ておきたかったですね。
これは良い勉強になりました。
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