人間は言葉によって気持ちが縛られるもの
とつぜんですが、デート中、サプライズのプロポーズをされたら女性としては嬉しいものですよね。
たとえば、
去年の夏、彼氏と毎年行っていた花火大会の帰り道で、当時3年付き合っていた彼氏から突然、婚約指輪を差し出されて
「今後どんな困難があっても絶対にきみのことを、愛し続けるから僕と結婚してください!」
とプロポーズを受けた。
「えっ!いきなり!いつかプロポーズされると信じていたけど、今なの」
「びっくりしたけど、でもうれしい!」
しかし、結婚は今後の人生を大きく変える出来事ですよね。結婚してあなたと一緒になれて幸せですという人もいれば、
「あのプロポーズはウソだったの!」
まさか自分の思い描いていた結婚生活とは、真逆になってしまったという方もいるのではないでしょうか。
もし、ドラえもんがいるとしたら、タイムマシンでプロポーズされた過去に戻り、そして相手の本気度を見抜いてやり直したいものです。
特に、人生を左右する出来事のときに絶対にと強く約束する人は多いものです。
改めて言葉の力とは怖いものです。
今回は、相手の本気度を見抜く方法について紹介します。
絶対にといい切りたい人は、良くも悪くも子どもっぽい
「きみのことを絶対に幸せにするよ」
「絶対にあなたのこと、愛し続けるから」
「間違いなく、こうしますから」
などと会話の中に「絶対に」「間違いなく」が頻繁に出てくる人というのは、自分の意見を確信し、さぞかし自信のある人と思われがちですが、実は違います。
特に、日常における相手の気持ちや将来のことについての会話では、あやふやな部分も多く、その場では白か黒かを決められない場合の方が多いかもしれません。
にもかかわらず「絶対に」といい切ってしまうのは、「絶対にそうであってほしい」という願望の表れであり、「そうならないかもしれない」という不安を抑圧しているのです。
遠足や旅行の前の日に「明日は雨、降らないよね」と親にしつこく聞く子どもの心理と一緒です。
すぐに「絶対に」「間違いなく」などの言葉をいってしまう人は子どもっぽい性格なのです。よくいえば純粋。悪くいえば駆け引きのできない無垢。
なぜなら、世間には、「絶対」といい切れることなどほとんどなく、人の気持ちは移ろいやすいものだからです。誰もが幸せになるために、自分なりの確信できるものを求めているのでしょう。
とはいえ「絶対に」といいたくなる気持ちもわからないわけでもありませんが...
本気の人ほど
人は適当に考えているときほど、そのことだけしか考えていないものです。
たとえば、
「俺はいつかビッグになる!」という人は
「どうやって成功するの?」という質問にたいしては、比較的スラスラ答えられます。
「きみを絶対に幸せにする!」という人も同じです。
相手の好きな理由や、いかにして相手を幸せにするかということについては、それこそ簡単に答えられます。
しかし、裏を突かれた質問にはモロイものです。
こんなふうに
「もしあなたが成功しないなら、それはどんなとき?」
「もしあなたが私を幸せにできないとするなら、それはどんな場合?」
この質問に真面目に考え、あらゆる面から思考している人なら、この質問にたいして真剣に答えることができます。
たとえば、
「やろうとしている仕事の利益が思ったより出ないときかな」
「自分の収入に変化があって、きみや子どもを養うことができないときかな」
など。
しかし深く考えていない人は、答えをはぐらかします。
答えに詰まったり、もしくは
「いやいや、絶対に成功するって」
「いや、きっと幸せにするよ」
などの、根拠のない言葉を言うはずです。
もしそれが失敗するとしたら、それはどういうとき?
結論から、この質問をして相手がどれだけ本気か、どれだけ真面目にそのことを考えているかということが分かります。
たとえば、スポーツでの場面
選手「明日のサッカーの試合は、まあ楽勝でしょ」
監督「そっかあ。でももし明日の試合で失敗をするとしたら、それはどういうとき?」
選手「仲間が予期せぬケガをして、試合に出れなくなったときや、天気が急変して体が冷えて今までのパフォーマンスができないとき」
などのように話す選手だったら、心強いでしょう。
しかし、こんな言葉が返ってきたら
「そんなこと言わないでってば!」
「考えないようにしてるんだから!」
「絶対に勝つ!」
「そう思わないとダメだって!」
という選手は信用できないですよね。
いずれにせよ大切なのは
「もしそれが失敗するとしたら、それはどういうとき?」
と聞いてみましょう。
相手がどれだけ真面目に考えているかを判断する手助けになります。
相手の条件を満たさないような行動をする
たとえば、「相手のどこが好きか」ということをはっきり口にさせると、相手への気持ちは早く冷めやすくなるということがあります。
なぜなら、自分の好きな理由はこれだけなのかと考え、それが失われたとき気持ちが冷めてしまうからです。
ですのでここでは、あえて「逆」を行います。
つまり
「その条件を満たさない限り、自分は嫌いになることはない」
ということを相手に宣言させましょう。
たとえば、
「僕はきみのこと、ずっと愛している」
という人に
「もし私のこと好きじゃなくなることがあるなら、それはどういうとき?」
と聞いてみて下さい。相手はとまどいます。
しかし、こちらも好きじゃないことを言われるので不安にもなるでしょう。
ですが、相手の本気度を見抜くためには、覚悟が必要です。
もし相手が何も言わなかったら、
「それでもひとつでいいから教えてほしい」と言ってみましょう。
すると相手は、「何か強いて言えば」の理由を答えるはずです。
「きみが浮気をしたときかな...」
など。
人間は、言葉によって気持ちが縛られるものです。
ただ単に「ずっと好き」というように、プラスのことしか話さない場合より、こうしたマイナスな要素を少しだけ考えさせたほうが、より関係は深まります。
人は誰でも、表からの質問や攻めには強いものです。ですが相手の本気を見るためには、とにかく裏の門から攻めましょう。
おわりに
失敗なんて考えられない。自分の思ったような人生を歩みたい。そう思う気持ちは確かに大切です。
しかしそれだけでは、ちょっとしたことで、つまずいてしまうこともあるでしょう。
勝って兜の緒を締めよ、ということわざもありますが、落とし穴に落ちないように万全を期し、相手の本気度を見抜くためにまずは裏の門から攻めましょう。
「もし失敗するとしたら、それはどんなときだろう?」
「うまくいかないときは、それはどんな場合だろう?」
そんなふうに考えてみることで、かえってあなたの成功への気持ちがを強めることができます。
それでは、また。