少年サッカー 「オフ・ザ・ボール」の動き
小学校低学年だとサッカーの試合は、ほぼ、だんごサッカーです。ボールの周りに相手、仲間が関係なく集まるので、だんごみたいに固まります。
小学3年ぐらいまでは、だんごサッカーの試合が多いです。だんだん経験して、4年生くらいから、広がってパスをつなぎ始めます。
けど、サッカーの試合は、選手がボールを持っている時間は、ほんのわずかです。試合時間の90%は、ボールを持っていない時間ばかりです。
例えば右サイドにボールが出たら、反対側のサイドの子は「自分は関係ない」という感じで、動かない子がいます。「ボールを持っていないところで何をしたらいいか」がわからないから、動かないのでしょう。
サッカーでは、ボールを持っていない動きが大切で、このことを「オフ・ザ・ボール」といいます。
ボールを持っていないとき、どこにいるのか、いつ走るのか!そのためには正しいオフ・ザ・ボールの動きをするには、3つの要素が大事になります。
【正しいプレーをするためのオフ・ザ・ボールの3要素】
①観る・・・周囲の状況を確認する
②判断する・・・情報を集めて次のプレーを決める
③実行する・・・決めたプレーを実行する
この3つのプロセスが大事になる。
周囲の状況を確認し、判断するための情報を集め、次のプレーを決めて、それを実行する。これが効果的なオフ・ザ・ボールの基本となる。
【オフ・ザ・ボールはスペースと時間を生み出す】
現代サッカーでは、コンパクトなディフェンスが当たり前になったことで、攻撃側のスペースが狭くなっている。狭いスペースの中で、ボールを受けるためには、オフ・ザ・ボールの動きが欠かせない。オフ・ザ・ボールの重要性が増しているのは、ディフェンスのレベルアップとの関連性が大きい。そのため、攻撃側はボールを受けるまでに、より効果的なオフ・ザ・ボールの動きをすることで、自分がプレーするための、スペースと時間を作り出さなければいけない。ボールを受ける前に準備しておくことが、より良いプレーにつながります。
【オフ・ザ・ボールの3つのアクション!】
オフ・ザ・ボールの動きには3つの種類がある。
①ボールを受けるアクション・・・相手のマークから離れる
②スペースメイクのアクション・・・味方のためにパスコースやスペースを空ける
③ケアをするアクション・・・仲間がボールを奪われた
チームの全員が同じ動きをしても効率的なプレーはできない。
1人が相手のマークを引きつけてスペースを空け、1人がDFラインの裏に飛び出す。1人が安全にパスを受けられる位置をとり、1人がボールを奪われたときや、味方が困ったときのケアをする。
複数の選手が異なるアクションを行うことによって、攻撃側の選択肢が増え、守備側にとって守りづらい状況を作ることができる。
【オフ・ザ・ボールでの駆け引きの意識】
サッカーの試合には攻撃、守備の4つの局面がある。
①攻撃の局面
目的
・ゴールを奪う
・シュートチャンスを作るためにボールを運ぶ
原則
・突破のためにゴールに向かう、相手の背後をつく
・幅と厚みでスペースを作る、サポートをする
・活動性としてコンビネーションが必要
・即興性は想像力、意外性、柔軟性
②攻撃から守備の局面
目的
・できるだけ早く守備の態勢を作る
原則
・ボールへのプレッシャー
・相手へのプレッシャー
・的確なポジショニングへの素早い修正
③守備への局面
目的
・ボールを奪う
・ゴールを守る
・攻撃の組み立てを混乱させる
原則
・遅らせてボールを前へ運ばせない
・厚みと集結をしカバーリング、ボールへの集結、ゴールへの集結
・バランスをとり、ポジショニング、マンマークとゾーンディフェンス
・的確な判断をし、ディフェンスラインのコントロール
④守備から攻撃の局面
目的
・できるだけ早く攻撃の態勢をとる
原則
・前へ向かう
・スペースを作るために広がる
・相手からの視野から外れる
4つの局面でボールがないところで、いかにチームで効果的にプレーするか・・・これこそが、現代サッカーで求められる最重要なタスクと言えるのではないでしょうか。
【補足】
とりあえずのプレーをなくすために、指導者が子ども達に質問し、考えさせる声かけ
「今、相手がいたね、シュートが良かったかな?」
「パスかな?味方の状況は?」
「おっ良いね!ドリブルしてシュートまでいけたね!」
「ボールをとられたら、すぐに追いかけボールをとりかえそう!」
「どうやったら相手にボールが奪われないかな?考えてやってごらん」
「足が止まったら、自分の予測と判断はのんびりしていないかな?って自分に問いかけて!」
「守備のときは、相手がボールを観ているときに、いかに相手との間合いをつめられるかな?」
「攻撃のときは、相手からとどきそうで、とどかないポジショニングをする準備ができてたかな?」
指導者が熱心にオフ・ザ・ボールの練習をさせても小学生なので、なかなか響かないときがあります。そんなときは、上記のような質問をして、子ども達で自ら考えて、行動してチャレンジしたことを指導者は見守り、背中を押してあげることが大切です。
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