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目指せ体温37②

前回のおさらい

前回は、健康長寿のためには体温を36.5℃以上に保つことが大切だということをお伝えしました。

今回も引き続き、体温を上げることの重要さと、体温アップによって体にどんなよいことが起きるのかを書いていきます。


低体温は病気の元凶、高体温は健康の源

①    体温が1℃上がると、免疫力は500~600%上昇します。
免疫力が上がるというのは、白血球の数が増えるということではなく、一つの白血球が持つ能力と精度がアップするということなので、こうしたことが成立しうるのです。
でも、体温上昇のメリットは、それだけではありません。体温が一度上昇すると、体の中の様々な場所で、劇的な変化が生じます。

②    まず、体温が上がると血行が良くなります。
血行が良くなるということは、血液がスムーズに流れるということなので、結果的に血流量が増えることになります。

③    筋肉が増えやすくなります。
血流量が増えると、体を構成する細胞に十分な酸素と栄養が共有されるので、同じ運動量でも筋肉の修復がスムーズに行われ、筋肉が増えやすくなります。

④    骨が丈夫になります。
筋肉の場合と同じ理由で、骨も丈夫になります。つまり、体温が1℃上がると、それだけで骨粗鬆症予防になるということです。

⑤    胃や腸など消化器系の臓器にもよい影響が出ます。
具体的にいうと、血流量が増えることで、胃腸が内容物を先に送るための蠕動運動が活発になるのです。
蠕動運動が活発になると、腸の中で発生する硫化水素や活性酸素といった毒素が素早く排泄されるので、便秘の解消や大腸ガンの予防につながります。

⑥    脳の活性化が進みます。
体温が上がると、体だけでなく同時に脳の血行もよくなるので、脳の活性化が進みます。とくに、「海馬」という記憶能力に関わる場所の血行が良くなると、記憶力低下や痴呆症防止に効果があります。

⑦    酵素が活性化します。
体温が上がると、血行が良くなるだけでなく、酵素が活性化します。その恩恵にもあずかることになるのです。

⑧    細胞が若返ります。
体内の酵素が活性化すると、例えば糖尿病の人ならインシュリンの作用が良くなったり、新陳代謝が活発になるので、細胞が若返ります。新陳代謝が活発になると、見た目では肌が美しくなりますが、それは同時に体の中の細胞も若く美しく変化しているということなので、体全体にメリットがあるのです。

POINT
もちろん、こうした恩恵は、体温が一瞬上がったというだけでは得られません。恒常的に体温が一度上昇した場合に得られるものだと考えてください。

⑨    視床下部の負担が軽減されます。
体温が恒常的に上がると、自律神経の乱れそのものが改善していくので、その情報が体温中枢のある脳の視床下部に行き、視床下部の負担が軽減されます。

⑩    男性更年期障害にもよい影響が現れます。
視床下部の負担が軽減することで、同じ視床下部から分泌される生殖腺刺激ホルモン放出ホルモンが整い、男性更年期障害にもよい影響が現れます。

体温がたった一度上がるだけで、これほど多くの、いえ、本当はもっと多くの恩恵が体にはもたらされるのです。
低体温が病気の元凶であるのとはちょうど逆に、高体温は健康の源だということを、心に銘記してください。


参考文献:齋藤真嗣(2009)『体温を上げると健康になる』サンマーク出版

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