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場末のディサービス(3人は仲良し)

うめちゃん、つるちゃん、あやちゃん 3人は場末のディサービスで
知り合って とても仲良くなった。

初めの頃3人がそんなに 仲良しだとは気がつかなかった。
うめちゃんは独居 たまに 息子さんが様子を見にくる
つるちゃんは次男さん家族と同居
あやちゃんはご主人と二人暮らし 場末のディサービスでは
ご利用開始になると 似た感じ 気の合いそうな方と同席にしたり
してた。毎日、座席を決めるのは とても難しく一度失敗したりすると
もうディサービスには行きたくないと言われる方も多く、夕方に
なるとスタッフ総出で ああでもない こうでもないと名札が
テーブルの上を行ったり来たりしていた。

食事中の音が嫌だって言ってました。痰をゲーってするから嫌 とか
自分のテッシュを間違えて使ったから嫌だとか・・・
そもそもテッシュってディから提供しているものなのに 皆さん自分の
前に置いてあるものは自分のものと思われる方も多くて、お帰りの
袋がやけに大きいなあと思っていると テッシュやコップが出てきたり
した。
トイレに行かれた時にそっと荷物を覗いて テッシュを取り出すことは
よくあった。

うめちゃんとつるちゃんはお泊まりもしていた。
つるちゃんのお嫁さんは とてもよくできた方だったが 嫁姑の仲
色々あったかもしれない つるちゃんはよく梅ちゃん宅にお泊まりに
行っていた。この二人 実は大のパチンコ好き 場末のディサービス以前に
阪神尼崎のパチンコ屋さんで知り合ったようだ

元気なつるちゃんは バスでパチンコ屋さんに行って 勝ったら
近くのお店でカツ丼を食べて帰って来るのが 最高の幸せと送迎バスで
話してた。今日はお天気がいいから 阪神尼崎で降ろしてねって
何度も頼まれて・・・お天気がいいからディサービスに行って 桜の公園まで
お散歩しましょ  うめちゃんが待っているよと話をすると途中下車される
ことはなかった。
つるちゃんは 今までに家1軒分ぐらい負けたと笑っていた。
「お父ちゃんと二人でパチンコに行くのが楽しみだったの」

うめちゃん 私がお迎えに行くと「純ちゃん きたね〜 昆布炊いたら
食べて行きなさい あんば味噌もあるよ〜」
うめちゃんは島ンチュ 同郷ということもあって 食べて行けとよく勧められた
「うめちゃん 次行かなあかんから また今度ね」
「ちょっと待って 今 タッパに詰めるから」  ゴソゴソ・・・
いいって言っても聞かない こうやって送迎は遅れていく
うめちゃんちは私が行くと遅くなるので 他のスタッフに行ってもらった
同郷の私に島料理を食べさせたかった もうお母さんみたいだった



私は好き嫌いもなく 人一倍好奇心が旺盛で 安否確認を兼ねて利用者さんの
お宅を訪問していた 同じものを食べると仲良くなって 色んな話が聞ける
「足 痛くない?息子さん来てる?」ご家族にも内緒の話をよくした。

つるちゃんはうめちゃんちに泊まって つるちゃんを送るという名目で
二人で駅前でパチンコを楽しんでいたようだ。
うめちゃんは足の動きが悪く 靴下が履けなかった。
寒い日も素足だった 靴下を履く 福祉用具もあるのに その頃 私も
経験不足で うめちゃんに寒い思いをさせてしまった。

管理者 相談員として2年目の頃だった

続く。。。

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