合唱コンクール
昨日は合唱コンクールでした。結果は銀賞。
実は私自身、十数年間の教員生活の中で、合唱コンクールで銀賞を獲得したのは初めてのことでした。
この銀賞をとることができた喜びと、金賞にちょっと届かなかった悔しさの間にある絶妙な感覚は、個人的には結構グッとくるものがありました。
担任としては、基本的には毎年あまり変わらないスタンスで指導をしているつもりですが、今年みたいに賞をとれる年があれば、ダントツ最下位だった年もあるので、今年銀賞がとれたのは本当に色々な幸運が重なってこそのものだと思います。(毎年どんなクラスでも賞をもたらせてしまう担任の先生は、本当にすごすぎる…)
個人的にはここ数年、仕事に対するモチベーションが爆下がりしていたところですが、今回の合唱コンクールを通じて、生徒たちの頑張る姿勢と素晴らしい合唱が、私に再びこの仕事の魅力みたいなものを思い出させてくれました。本当にありがとう。
教師の仕事は99%が大変な仕事。でもたまに残りの1%が大きな感動をもたらしてくれるから、きっと続けられるんだろうなぁ。なんてことを改めて実感した次第であります。
ちなみに私としては賞がとれるかどうかはともかくとして、毎年安定して練習に取り組ませること、そして最終日に良い形で終結させることについては、自分なりにこだわってやってきました。
というのも、私は初任の時に合唱コンクールを通じて盛大な学級崩壊を引き起こしてしまった経験があるのです。
今でこそ「あの経験があったから今がある」と言えますが、当時はそれはそれは辛い毎日でした。
当時新卒で採用された私は、「絶対に金賞をとろう!」と若さと熱意だけでクラスを引っ張っていこうとするも、あまりに無知で実力が伴っておらず、次第に生徒たちから反発を受けるようになりました。
結果クラスの中心メンバーが練習をボイコットするようになり、もちろん賞もとれず、合唱コンが終わった後もどんどん荒れていくクラスの姿に、担任としての無力感を大いに痛感させられました。
その経験から、「大事なのは賞をとることではなく、皆で合唱コンに向けて頑張った思い出なんだ!」と考えるようになり、今に至ります。
こうして辛かった過去を思い返してみると、今年は生徒たちの努力が銀賞という目に見える形になったこと、本当に恵まれていることだと思います。
そして、賞がとれなかったクラスの担任の気持ちに思いを馳せてしまう自分がいるのでした。
合唱コンは結果という目に見える形でクラスの差がハッキリしてしまいます。
時にそれが生徒たちからの担任に対する評価に繋がってしまうことも多々あります。
経験年数や合唱指導ができるかどうかに関係なく、担任は同じ土俵で競うことを余儀なくされます。
この部分は、個人的に合唱コンの嫌いなところでもあり、どこかの私立学校がやっている全員担任制が実現されれば解消されそうだとは思っていますが、まぁ公立では実現されないだろうなぁ。
最後に今年の合唱コンの雑感を記録しておきます。(あくまで個人的なものです。)
・選曲は難易度が高いものを選んだ方がいい。できれば曲想に変化があり、盛り上げどころでスピード感やインパクトのある曲を選びたい。
・指揮者選びは慎重に。やりたいだけで決めるのは危険。
・パート練はある程度パートリーダーに任せつつ、はみ出してしまう生徒は担任が対応する。
・曲の全体像を作り上げていく段階では、指揮者に指導を促しつつ、担任も一緒に指導に当たっていく方が無難。
・終盤はあまり口出ししすぎない状態まで持っていけると良い。
・音楽の授業を大切にさせる指導も重要。
・日頃から学級を安定させることが大事。ある意味、合唱期間前から勝負は始まっている。
・他にもありそうですが、思い出したらまた追加します。