コント『落とし物』
警察「すみません。」
おばあさん「あら御苦労様です どうされたんですか?」
警察「最近この辺りで盗難被害が多発していて、ちょっとお話を聞かせていただきたいんですけども。」
おばあさん「はい。」
警察「そこの川沿いの果実園で被害に遭われてましてね、この桃がそうなんですけど。」
おばあさん「あっ…えー あっそうなんですかー」
警察「見たことないですよね。」
おばあさん「いやー見たことないですねー!こんな大きな桃!」
警察「え?この写真だけで大きさ分かりましたか?」
おばあさん「えっ?あっ…そーうですねー、いかにもって感じですねー。」
警察「分かりました。また何かありましたらご連絡下さい。」
警察、はける。
おばあさん「さっき川からどんぶらこどんぶらこって流れて来たあの桃じゃん。えーマジかー持って帰ってきちゃった。いやでも流れて来ただけだもんね、あの果実園の桃をむしり取った訳でも、道路に落ちてあった物を盗んだ訳じゃないもんね。」
おじいさん「ばあさん大変じゃ!」
おばあさん「おいじじい!何勝手に切ってんだよ!えっ桃から赤ちゃん…え?ちょっとえ?意味分かんない意味分かんない。」
おじいさん「桃から生まれたから桃太郎だな」
おばあさん「おいおいおい、ちょっと待て、桃太郎なんか名前付けたら警察に足付くだろ。」
おじいさん「警察?」
おばあさん「えーとどっから話そう。えーとさっき警察が来て、桃の盗難がどうたらって言ってだんだよね。それで話を聞くとその桃がどうもこれなのよ。」
おじいさん「お前、盗んできたのか?」
おばあさん「いやー盗んだというか、川から流れて来たから取ってきた…取ってきたって言うとあれだから、お借りしたというか、保護?捕獲?いやでも罪の意識とか無くてー果実園に返すつもりでー致し方なく持って帰った物だからー。何で勝手に切ったの?」
おじいさん「えっ責任転嫁すんなよ。盗んだのはお前だろ。そんな事情とは知らないし。」
おばあさん「だから盗んでないって。」
おじいさん「じゃあその果実園に正直に言って返すか?」
おばあさん「ナマモノって返品無理じゃん。ナマモノというかもはやセイブツだし、字は一緒だけど。」
おじいさん「じゃあどうする?」
おばあさん「…施設に預けよう。明日鬼ヶ島に連れていって。」
おじいさん「お前鬼だな」
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